NTT西日本、ICT活用のいちご栽培で高知県と連携協定を締結

NTT西日本とJA高知県佐川支所苺部会、佐川町および高知県は、高知県佐川町の特産品である「佐川いちご」の生産現場にICT技術を導入し、地域農業の振興と活性化を推進する連携協定を締結した。連携協定の期間は2021年4月24日~2022年3月31日まで。

締結した連携協定は、佐川町が掲げる「植物を中心とした町づくり」の可能性探求や、ICT技術を有効活用して直面する人口減少等の解決を目指す「佐川町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の実現等を目的にしたもの。この連携協定を通じ、生産者の高齢化や減少が進行する佐川町農業の持続的発展と新規就農者増に向けた環境づくりを推進するとしている。



佐川いちごの生産現場におけるICT活用を推進


佐川いちごは、高知県内でトップクラスの生産量を誇る上品な甘さと実の大きさが特徴のいちご品種。一般消費者からの高い人気を背景に流通業者からも高い評価を得ているが、近年は生産者の高齢化や減少等を原因に、新規就農者増や技術継承に向けた取り組みが地域全体で進められている。

佐川いちごの栽培風景(佐川町)
NTT西日本では、ICTを用いてさまざまな社会課題を解決する「ソーシャルITパイオニア」を目指し、地域と連携した取り組みを行っている。今回の連携協定は、その取り組みのひとつとして検討している植物工場での佐川いちご栽培を、JA高知県佐川支所苺部会に相談したことをきっかけに始動。

NTT西日本が地域との連携を図りながら生産現場でのICT活用と関西の植物工場との連携を推進し、農業と植物を中心とした町づくりに向けたDXによる農業振興の方法を探求する。

関西での植物工場試験栽培の様子
連携協定における役割および実施事項は以下の通り。

連携協定の役割

NTT西日本グループ
・新規就農者増をめざすICT技術支援
・植物工場産いちごのアピールを通じた地域活性化
・いちご植物工場事業の佐川町への展開検討
JA高知県佐川支所苺部会
・新規農業従事者の増加に向けた各種活動
・いちご栽培技術の探求
・佐川いちごの栽培技術ノウハウの提供
佐川町
・「植物を中心とした町づくり」の推進と発信、佐川いちごブランドの発信
・植物工場を活用した農業振興・地域活性化の検討
高知県
・産地の意向に沿った生産から販売までの取り組み支援

実施事項

1.佐川いちごの新規就農者の増加に向けた取り組み
・いちご植物工場を通じた佐川いちごおよび産地PR
・いちご向けICTを活用した生産振興
2.植物を中心としたまちづくりの推進
・道の駅での植物工場産いちご販売等の活用検討
・道の駅の魅力・パフォーマンス最大化に向けたICT活用検討
3.閉鎖型植物工場技術を活用した外商拡大および地域活性化
4者は今回の連携協定を契機に、農業分野以外でもICT技術を活用した協力体制を構築していく方針だ。


NTT西日本
https://www.ntt-west.co.jp/
JA高知県
https://ja-kochi.or.jp/
佐川町
https://www.town.sakawa.lg.jp/
高知県
https://www.pref.kochi.lg.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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