農研機構、東北地方の気象情報サイト「東北農業気象見える化システム」を公開

農研機構は、1kmメッシュの気象データを使用したマップを中心に、東北地方の気象情報を画像で提供して、農作物の栽培管理や適地・適作の判断をサポートするウェブサイト「東北農業気象見える化システム」を公開した。

東北地方6県を対象とした水稲警戒システムが元


「東北農業気象見える化システム」は、東北農業研究センターが運営していたウェブサイト「水稲冷害早期警戒システム」の名称を変更したもの。

「水稲冷害早期警戒システム」とは、1993年に起きた記録的冷夏による大冷害をきっかけに開設された東北地方の農業生産者のための気象情報サイトのことで、2021年11月には真夏日や猛暑日の増加など気候変動の影響による生育期間の気温上昇を背景に、高温障害のリスクに関する項目も追加したという。

今回の名称変更は、水稲以外の作物に関係する気象情報を掲載しているサイトの実態に合わせたもので、農研機構メッシュ農業気象データを使用して作図した2つの項目が新たに加えられている。

従来から引き続き掲載している項目



・日々の寒暖の目安マップ(日平均気温の平年偏差)
平年の同じ時期と比べて、その日の気温がどれくらい高かったか・低かったかを示すマップ。
平年値と比べた差(平年偏差)を示すことで、地域全体の寒暖の度合いをわかりやすくする。
2021年11月からは1980年以降の図も確認できるようになった。

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/152432.html

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/152432.html

・気象の経過グラフ
気温・降水量・日照時間等の変化をグラフで表示。
東北地方にあるアメダス観測点のうち23地点における2015年以降の観測データを折れ線グラフで示す。

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/152432.html

新たに加えられた項目


・気温・日照時間の平均、積算値マップ
水稲の高温障害のリスクや登熟進度の目安を地図上に示したもの。
高温障害リスクの指標に使用される日平均/最低/最高気温の20日間平均値、登熟進度の目安に使用される日平均気温/日照時間の40日積算値の計5項目を選択して表示する。

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/152432.html

・一定期間の傾向マップ
気温・降水量・日照時間の1・2・4週間ごとの傾向を平年の同時期と比べてマップに表示。
その時の天候が例年の同じ時期とどのように異なるかを把握するのに役立つ。

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/152432.html

ユーザー登録などの手続きは不要で、無料で誰でも利用することができる。


「東北農業気象見える化システム」
https://www.tarc-agrimet.affrc.go.jp
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WRITER LIST

  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  4. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  5. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。