女性から見た”農”を語るエッセイ集「耕す女(ひと)」発売

インプレスグループで電子出版事業を手がける株式会社インプレスR&Dは、「耕す女(ひと)(副題:持続可能な世界をつくる女性農家の挑戦)」を発行する。



耕す女(ひと)が伝えたいこと


「耕す女(ひと)」は全国の女性農家が集まるNPO法人田舎のヒロインズの編集による、農業に取り組む女性たちのエッセイ集だ。

同書では多彩なキャリアを経て農業に取り組んでいる女性たちが、それぞれどんなきっかけで農業を始め、いま何を考えて取り組んでいるのかが語られている。力あふれる女性農家の視点から、次世代の社会を考えるきっかけとなる一冊だ。

表紙の題字「耕す女(ひと)」は映画『おくりびと』の脚本でも知られる小山薫堂氏、表紙の絵はALS患者で視線入力によりイラストを描く榊浩行氏の作品。また、巻頭にはap bank代表理事の小林武史氏、『ソトコト』編集長の指出一正氏からの応援メッセージが掲載されている。

著者「NPO法人田舎のヒロインズ」とは

本書を執筆したのは、40代以下の現役若手女性農家が役員を務める農業団体「NPO法人田舎のヒロインズ」だ。

「農業後継者不足の解消」をモットーに、農業や農村の意義および価値を女性の視点から見直し、農業に関心を持つ次世代を増やすための提案・提言を行っている。

前身となる「田舎のヒロインわくわくネットワーク」が発足したのは1994年3月のこと。2014年3月に団体名を変更し、現在の体制となった。今では農業に従事する女性のみならず、応援してくれる方々、学生、男性へその輪を広げ、全国に約160人もの会員がいる。

耕す女(ひと) もくじ

第1部 耕す女(ひと)
大津愛梨「農業なくして持続可能な社会なし」
高橋菜穂子「地域を生かす、女が生かす」
吉村みゆき「畑から食卓へ」
加藤絵美「えがおになれるお米をふくしまで」
谷江美「都市と農村をつなぐ」
小田垣縁「養豚場から愛をこめて」
大塚なほ子「美しさ、強さの源は畑に」
藤原美里「農村だからこそできる子育て」
Yae/藤本八重「半農半歌手という生き方」
北澤美雪「農業が果たす多面的機能」
長田奈津子「家族と一緒に台所に立ち、家族と一緒に食事をとる幸せ」
稲澤エリナ「ファーマーの夫と命の誕生の場に寄り添う助産師のコラボレーション」
宮崎悦子「元帰国子女OL、農家の嫁になる」

第2部 耕す女(ひと)の仲間たち
30年を経た農業の多面的機能という概念(和泉真理)
地に足をつけた生き方のススメ(今村司)
服も農産物~オーガニックコットンの畑から考える顔の見える服づくり(鎌田ありさ)
女性が主演の農業こそが輝く(榊浩行)
農業ICTから広がる夢(大山りか)
NPO法人田舎のヒロインズの書籍出版に寄せて(太田太)
酪農を通して子供たちが夢を抱ける世界を(堤夏穂)
おだやかな革命~これからの時代の「豊かさ」を問いかける(渡辺智史)
初めての来日時に阿蘇で地震を経験して(ステラ・ウィンター)
耕される男(大津耕太)

第3部 耕す女(ひと) ─時を超えて
夢の続き(羽生たまき)
手作りハムで伝える、夢ある農業、農村文化(北見満智子)
干拓問題について考える(西村ふじ子)
十路の反抗期(小林幹子)
紅葉の南フランスを訪ねて(新開玉子)
藺草を織る(星田真理子)
「かまど」の教え(稲本康子)
柚餅子とともに二十三年(関京子)
ヒラタケの恩恵(望月玉代)
異国より友きたる(尾崎千惠子)
都市農業を支える元気な女性達(白石敏子)
農業をする自分が好きですか(田中泉)
我が家は農家 こんな農業しています(小林優子)

<参考URL>
NPO法人田舎のヒロインズ
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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