井関農機、国内最大クラスのロボットトラクタ「TJW1233-R」を発売

井関農機株式会社は、国内最大クラスとなる123馬力の有人監視型ロボットトラクタ「TJW1233-R」を2024年5月に発売した。有人監視下での無人による自動運転で、農業の大規模化・生産性向上に貢献するという。

「T.JapanW」TJW1233-RJSPTRB

省力化や軽労化等を図り、農業の生産性向上に貢献


国内農業においては、農業従事者の高齢化に伴う人手不足や農地集約による大規模化が進んでおり、農業の省力化や生産性の向上が課題となっている。

井関農機は、これらの課題解決に向け、ICTロボット技術を活用したさまざまなスマート農機を提供し、2018年にはトラクタの「TJVシリーズ(65馬力)」、2021年には「TJV シリーズ(75馬力・98馬力)」を商品化している。また、2022年には田植え機の「PRJ8DR(8条植え)」を発売している。

今回発売した国内最大クラスのロボットトラクタ「TJWシリーズ(123馬力)」の特徴は以下の通りだ。

国内最大クラスの有人監視型ロボットトラクタ

農業の大規模化に対応するため、国内最大クラス・123馬力の有人監視型ロボットトラクタを業界に先駆けて市場投入。
※井関農機調べ(2024年4月時点):日本国内の農業機械市場における有人監視型ロボットトラクタとして

対応できるほ場形状を拡大

従来の対応ほ場(長方形、平行四辺形、台形等)に加え、曲線・直線がある変形ほ場にも対応。さまざまな形のほ場での作業が可能となり、さらなる高精度作業を実現する。

ほ場の形状にあわせた最適作業ルートを自動生成できるため、未熟練者でも効率のよい作業が行える。

なお、農林水産省「安全性確保ガイドライン」により、ほ場外周は有人での作業が必要だ。


「Home位置誘導」機能

ロボット作業の終了後、リモコンまたはタブレット操作により事前に設定したHome位置まで自動で走行する機能を追加。これにより、大区画ほ場においても効率的な作業が可能となった。

複数の位置情報による補正で、高精度作業を実現

GPS(GNSS)の位置情報に、無線基地局RTK(Real-Time Kinematic)・基地局の設置が不要なVRS(Virtual Reference Station)・本機アンテナ内IMU(Inertial Measurement Unit)による補正を加えることで高精度な作業を実現。

作業にあわせて選べる2つのモード

作業機・ほ場登録を行うことで自動で最適な作業走行経路を走行し、有人監視下で無人運転する「ロボットモード」と、作業機・基準線を登録することで自動で最適な作業走行経路を形成し、作業走行をアシストする「自動操舵モード」を選ぶことができる。自動操舵モードでは、有人作業と無人作業が選択可能。

無人機・有人機の協調作業により、さらなる省力化・効率化を実現

無人運転するロボットトラクタを監視しながら、作業者がもう1台のトラクタを作業する協調作業を行うことで、効率的な農作業が可能。

タブレットによる設定・操作

無人機と有人機による協調作業

商品概要

「T.JapanW」TJW1233-R(123馬力)
商品名・型式・小売希望価格(消費税込):
TJW1233-RXSLP33B 2302万6300円
TJW1233-RDSP10B 2191万9700円
TJW1233-RJSPN1B 2294万2700円
TJW1233-RJSPTRB 2288万8800円


井関農機株式会社
https://www.iseki.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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