管理栄養士が教える!かんたん献立「ごはん+食べる味噌汁」で子どもに不可欠な栄養素を補おう

栄養満点な「お米」。前回の記事では、そんな白ごはんに不足しがちな、子どもの成長に不可欠な栄養素と、どんな食品をプラスしたらいいかお伝えしました。

■前回の記事はこちら
白ごはんにプラス1で子どもの栄養もバッチリ! 管理栄養士が教える、子どものココロとカラダを豊かにする食事

今回はその中でも「ごはん+味噌汁」の献立にフォーカスし、どんなメリットがあるのか、さらに栄養満点な“食べる味噌汁”のおすすめレシピを紹介していきます。


子どもの主食は「ごはん」が最良

ごはんはパンに比べゆっくりと消化吸収され、腹持ちが良く満足感があるとお話ししましたが、それにより、体に脂肪を溜め込むホルモンの分泌もゆっくりになるため、体脂肪の蓄積も抑えることができ、粉食よりも太りにくいと考えられています。

パンや麺類が朝ごはんや昼ごはんの場合、お腹が空く時間が早くなりませんか? エネルギー量も十分ある割に、腹持ちが良くないのです。

子どもが元気に体を使って遊び、手指を使ってたくさんのことを学ぶためにはエネルギー補給が必要です。集団行動も増える3歳頃からは、やる気や集中力も必要になってきます。そのためには、腹持ちのよいごはんを主食として食べることがポイントなのです。

さらに、玄米や分つき米、雑穀米などを食べることで、普通の白米を食べるよりもたくさんの栄養素や生きる力・エネルギーを摂ることができます。奥歯の生え方や噛み方に合わせて取り入れてみてくださいね。

■子どもの玄米食はこちらの記事をチェック
玄米は何歳から食べられる?玄米は子ども目線で取り入れることがオススメ

そんな子どものエネルギー補給に最良のごはん。そこにプラスする味噌汁にはたくさんのメリットがあります。

味噌汁は子どもの成長にどんなメリットがある?

  • 腸を元気にする
味噌は最強のデトックス食材と言われ、第2の脳ともいわれる腸を元気にする最良の食べものと考えられています。また、味噌には善玉菌だけではなく、栄養素の吸収を良くする酵素や毒素を溜めにくい体を作るメラノイジンも含まれています。「味噌汁は朝の毒消し」ということわざがあるように、温かい味噌汁は胃腸を温め活発化させ、体内の老廃物や毒素を排出するデトックス力の高いものです。

  • 栄養素をあますことなく摂れる
さらに、水に溶けてしまう栄養素を汁ごといただくことができるのも良いところ。味噌そのものの栄養と具の野菜などから溶けだした栄養たっぷりの汁で、最低限の栄養は補えてしまうのです。もちろん具を食べるメリットもありますが、味噌汁があまり進まないお子さんには具は残しても汁だけはしっかり飲んでもらいましょう。具は少なめ汁多めに盛り付けることが食べてもらうコツでもありますよ。

「ごはん+味噌汁」という伝統的な和食で、子どものココロとカラダをしっかりと作っていきましょう。
ここからは、ごはんのおともにピッタリな“食べる味噌汁”をご紹介していきます。

おすすめな味噌汁1「厚揚げと焼きごぼうの味噌汁」


厚揚げで鉄やカルシウムなどのミネラル、にんじんやごぼうで食物繊維もしっかり摂れるお味噌汁です。
小松菜などの葉物を入れるとよりミネラル補給になりますよ。


<材料(4食分)>

・厚揚げ:小1枚
・ごぼう:1/3本
・にんじん:5~6cm
・ごま油:小さじ2
・だし汁:600ml
・味噌:大さじ2.5

<作り方>

1.厚揚げは一口大に切る。ごぼうはささがきにし、水にさっと浸けてアク抜きする。にんじんは1cm幅の短冊切りにする。
2.鍋でごま油を温め、ごぼうを炒める。あまりかき混ぜずに焼き付けるようにする。
3.厚揚げ、にんじん、だし汁を加え、やわらかくなるまで煮る。
4.味噌を溶く。

おすすめな味噌汁2「枝豆とトマトの卵とじ味噌汁」

小松菜やほうれん草には鉄が多いイメージですが、実は100g当たりの含有量は枝豆のほうが多いです。葉物は苦手だけど、枝豆なら食べるお子さんも多いですよね。こんな枝豆を使った味噌汁はいかがでしょうか。

作り方は、だし汁で先にさやから出した枝豆の実と、くし形に切った玉ねぎをやわらかく煮て、トマトを加えて卵でとじてから味噌を溶くだけ。

トマトの酸味も和らぎ、卵と枝豆に含まれる鉄の吸収が高まります。ふんわり卵がお子さんにも食べやすく、さっぱりといただけます。

おすすめな味噌汁3「さつまいもときのこの豆乳味噌スープ」

また、だし汁を無調整豆乳にかえて、こんな食べる味噌汁はいかがでしょうか。豆乳に含まれる鉄やカルシウムの吸収がさつまいもに含まれるビタミンCによって高まります。さつまいもはじゃがいもに代えてもOKです。

また、きのこのビタミンDがカルシウムの吸収を高め、効率よく栄養補給ができるメニューです。油揚げをトースターなどでカリッと焼いたものを仕上げに加えると食感も楽しむことができますよ。


お話ししてきたように、ちょっとしたポイントを押さえれば「ごはん+味噌汁」は子どものココロとカラダ作りのための最良のメニューになります。
食べる味噌汁でママの食事作りの負担も軽くして穏やかな気持ちで食卓を囲み、より一層子どものココロとカラダを豊かにしていきましょう。



■新米もいよいよ登場、安心・おいしい「スマート米」

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬や肥料の使用量を最小限に抑えて育てたお米です。特別栽培米残留農薬不検出のお米も。各地のおいしい銘柄をラインナップしています。白米と同じように手軽に炊ける無洗米玄米もあります。お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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