玄米は何歳から食べられる?玄米は子ども目線で取り入れることがオススメ

玄米」と言うと「健康食」のイメージがあるのではないでしょうか? 離乳食の講座の中でも、「赤ちゃんに玄米を食べさせてもいいでしょうか?」「赤ちゃんにとっても玄米は身体にいい?」という質問を受けることがあります。

玄米とは精白されていないお米のことです。お米のもみ殻を除いたものが玄米で、その玄米の表面にあるぬかを取り除いたものが、一般的にスーパーなどで売られている精白米(白米)です。

今回は「玄米は何歳から食べられる?」かを考えます。家族の食卓に玄米を取り入れてみようかな? と思っている方、ぜひ参考にしてみてください。

一般的な玄米食のメリットは?


そもそも、玄米って身体にいいのはなんとなくわかっているけれど、どう身体にいいのでしょうか。大人が食べるときの一般的な玄米のメリットを紹介します。

噛む回数が増える

噛み応えがあるので、玄米を食べるとおのずと噛む回数が増えます。噛む回数が増えると唾液の分泌が増え、ゆっくり食事をとることになり、満腹中枢が刺激され食事量が減ることにつながります。玄米は白米よりも消化に時間がかかるので意識的によく噛む必要もあります。

食物繊維を摂れる

玄米には白米の4~5倍の食物繊維が含まれています。食物繊維が豊富なので腸内環境を改善してくれます。それが、ダイエットにも効果があるといわれています。

優れた栄養素を摂れる

玄米はビタミン・ミネラルなどの豊富な栄養素をバランスよく含んでいるので「完全栄養食」と呼ばれています。

玄米は子どもに負担となることも?


食物繊維や栄養素が豊富で、大人にとって「健康食」の玄米ですが、子どもにとっては負担になることもあります。子どもに玄米を食べさせる時の注意点は大きく分けて2つです。

残留農薬について

玄米は白米よりも残留農薬が多いといわれていますので、農薬も気になるところです。できる限り残留農薬のチェックがされた安全安心な玄米を選ぶようにしましょう。可能であれば生産者や販売者に確認するとより安心ですね。

お腹がゆるくなる

玄米は、消化・吸収が良くないため食べた後の子どもの体調の変化を確認しましょう。内臓機能が大人よりも未発達な子どもは、玄米を食べることでお腹がゆるくなってしまうかもしれません。メリットに書きましたが、消化に時間がかかるので意識的によく噛む必要があります。子どもが食べ物を奥歯でしっかり「カミカミ」できるようになった頃がはじめ時の目安の一つです。

ですので、白米から急に玄米に変えるのではなく、まずは七分つき米からスタートして子どもの様子を見ましょう。そこから五分つき米、三分つき米とチャレンジして、子どもの体調がよく、嫌がらずに食べていれば、徐々に玄米にしていきます。

また、最初は水分量を多めにしてやわらかく炊きます。玄米をおかゆにするとやわらかくなり消化もよくなるので、まずはおかゆから始めてもいいですね。

美味しい玄米がゆの炊き方
<材料>
・玄米 適量
・水 玄米の10倍
<作り方>
1. 玄米を洗う
2. 玄米を水につける(3時間)
3. 鍋に火をかけ沸騰させ、弱火で30分~40分炊く
4. 10分蒸す

ということで、子どもの食事に玄米を取り入れるときは、

・まずは七分つき米からスタートする
・玄米を初めて食べるときは、玄米がゆを食べて様子を見る
・食べてお腹がゆるくなった場合は白米に戻す
・「よくカミカミするよ」と伝えながら食べる
・毎食だと飽きるかもしれないので時々取り入れる

このように、ゆるやかな感じで取り入れるといいかなと思います。

具体的な食べさせてよい時期は?


玄米は「完全栄養食」と呼ばれているので、子どもにも食べさせたい! と考える方も多いと思います。ただ、食べさせ始める年齢は考えなければいけません。なぜなら子どもの消化機能は未発達だからです。特に離乳食期は、赤ちゃんに負担が大きいのでどの時期もNG。幼児期前半もNGです。食べさせるのであれば、消化機能が整ってくる3歳以降にしましょう。

ただ、子どもは個人個人成長発達が違いますので一概に3歳からとは言い切れません。子どもの様子を見つつ「奥歯で少し硬い食材も噛んで食べている」「お腹の調子など体調面が良い」など、条件がそろってからチャレンジします。

わが家の場合、小学生になってから玄米をスタートしたのですが、においが気になったようで嫌がりました。また、お腹の弱い長男は、便が軟らかくなるのも気になるようでした。結局は五分つき米や七分つき米にすることが多く、白米にする日もあり、雑穀米や麦飯にすることもあります。

栄養のことを考えるのももちろん大切ですが「お米にもいろいろな種類があるんだよ」と、さまざまなお米を食べる経験をすることも大切です。すべてを大人目線の健康食に変える必要はなく、子ども目線でさまざまな食体験をさせてあげてください。


■子どもにあんしん・安全な玄米を選ぼう!


子どもの食事に玄米を取り入れたいと思ったときに注意したいのが「農薬」の問題です。

お米に残留農薬がある場合、農薬は油に溶けやすい性質があるため、7割〜8割は脂質が多いぬかや胚芽の部分にたまるとされています。ぬかや胚芽は精米すれば取り除かれる部分ですが、それらが残ったままの玄米で食べる時には少し気をつけたいところ。

玄米を選ぶ時には、「農薬残留検査」をしっかりした、子どもにあんしんな商品を選びたいものです。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを用いて農薬の使用量を減らした、農家にも消費者にもやさしいお米。玄米でも安心してお召し上がりいただけます。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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