失敗しないネット通販でのお米の買い方のポイントは?

毎日食べるお米。あなたはどこで買っていますか? 私は、以前はスーパーで購入していましたが、最近は家での消費量が増えたため、インターネット通販で買うようにしています。

ネット通販はとても便利ですが、一方で、確認不足で購入すると失敗して痛い目にあうことがなきにしもあらず……。そこでこの記事では、ネット通販熟練度別にお米のネット通販のコツを整理してみました。



ネット通販でお米を買うメリットは?

お米を買う場所によってどのような違いがあるでしょうか。スーパーやお米屋さんなどの店頭とインターネット通販それぞれのメリットデメリットを整理してみます。

1. 店頭で買う場合


メリット : 現物を確認して買うことができ、購入したその日に食べることができる。
デメリット : 店に置いてある種類しか選べない。重い。

2. ネット通販で買う場合


メリット : 品種や栽培方法など、選択肢が幅広い。玄関先で受け取ることができる。
デメリット : 届くまで現物を確認することができない。商品代と別に送料が必要。買ってから届くまで1日以上かかる。

自分の目で確認することができる店頭での購入に対して、現物が目の前にない状態で購入するネット通販に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、その不安を乗り越えた先にある圧倒的な選択肢と家に届けてもらえる便利さはとても魅力的です。


お米のネット通販のコツ初級編

これまで1度もインターネットでお米を買ったことのない人は、まずネット通販のお店を探すところから始めることになります。

最も気軽に買えるのはAmazonやネットスーパーですが、せっかくならもう一歩進んでお米専門店を探してみてはいかがでしょうか。

近所のお米の専門店を探してみよう



ネット通販をしているお米専門店は日本中にたくさんありますが、ネット通販でのお米選び初心者の方へのおすすめは「近くのお米屋さんの通販ページ」です。お米屋さんの中には近隣エリアへ配達をしているお店が多く、困った時の相談も気軽にできるでしょう。

検索エンジンに「米 配達 〇〇市(お住まいの市区町村名)」などのキーワードを入力して探してみると、近隣エリアにあるお米屋さんがいくつかヒットすると思います。

所在地、連絡先、配達の条件や、宅配便発送の場合の送料の取り決めなどがわかりやすく説明されているかチェックして、気になることがあれば電話やメールで問い合わせをして、信頼できそうなお店を選んでみてください。

ネット通販初心者のお米選びの注意点


お米屋さんが決まったら、次は商品選びです。お米のネット通販初心者の方に最低限知っておいていただきたいポイントは2つ。「買う量」と「産年」です。

一度にどのくらいの量で買えば良い?


白米を美味しく食べられる期間は、一般的には「精米日から1カ月程度」です。ご家庭での1カ月の消費量を目安に購入するのがよいでしょう。

最重要は産年! 銘柄はフィーリングでもOK


日本のお米屋さんで取り扱われているお米は、どれも一定水準以上には美味しいお米です。「コシヒカリ」や「あきたこまち」といった品種にこだわりがないなら、価格やフィーリングで選ぶのはアリだと思います。

ただし、「産年」には注意が必要です。基本的には、令和2年に買うお米ならば、令和元年度産か令和2年度の新米を選ぶようにしてください。

ネット通販で購入できるお米の中には、前々年度産の「古米」と呼ばれる少し古いお米もあります。古米の中には硬くなっていたり臭いが付いてしまったりしている場合もあるので、初心者の方は避けた方が無難でしょう。


お米のネット通販のコツ中級編

ネット通販でお米を購入することに慣れてきたら、もっと美味しいお米に出会う挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

精米日をチェックしよう


まずは「精米日」に関する具体的な情報をチェックすることが大切です。

お米の味わいは精米後時間が経つほど落ちていきますので、おいしさにこだわりのある販売店なら、ホームページ内のどこかに精米日に関する記述がある場合が多いです。

「精米後1週間以内に発送します」「注文後に精米します」など、精米日と発送日が近い販売店を探してみてください。

お米の銘柄を選んでみよう


日本のお米はどれも美味しいとはいえ、その一つひとつの味わいは少しずつ異なります。日本各地のいろいろな「銘柄米」を食べ比べてみると、意外な発見があるかもしれません。

「銘柄米」とは、「新潟県産こしひかり」のように特定の産地名と品種名がセットでブランド化されているお米のことです。選択肢豊富なネット通販なら、定番の銘柄だけでなく知られざる美味しい銘柄に出会うこともできます。

毎年、年度末に発表される「米の食味ランキング」(一般社団法人日本穀物検定協会)をチェックすると、その年度の全国の銘柄米の種類と評価を知ることができます。最高ランク「特A」の銘柄を選んだり、生まれ故郷の銘柄を選んだり、新しい品種を選んだり、いろいろなお米の食経験を得るのは楽しいですよ。

最高ランク「特A」のお米について、詳しくはこちらから
そのブランド米、今年も特Aでしたか?米の格付けの意味を解説します


お米のネット通販のコツ上級編

お米の銘柄選びをマスターした上級者の方は、もう一歩踏み込んで「エビデンスのあるお米」を探したり、「生産農家指名買い」に挑戦したりしてみてはいかがでしょうか。

農薬・化学肥料について「エビデンスのあるお米」を選ぼう



「エビデンス」とは「証拠」や「根拠」という意味で最近よく使われている言葉で、お米の農薬・化学肥料の使用についてこだわり始めた人にとって重要な考え方です。

ネット通販では売り手が書いたセールス文を参考にしますが、そこに「農薬や化学肥料の使用量を減らしている」という内容の記述がある場合は、商品ページや容器包装に「特別栽培米表示」か「有機JASマーク」があるかを確認してください。

これらは国が定めたルールに基づくものですので、表示があれば「農薬や化学肥料の使用量を減らしていることのエビデンスがあるお米だ」と判断できます。

また、「残留農薬ゼロ」「残留農薬不検出」という記述がある場合は、第三者機関の分析結果がエビデンスとなります。詳細が公開されていない場合は販売者に問い合わせると詳しい情報を教えてもらえるかもしれません。

エビデンスが確認できない場合、「絶対に農薬・化学肥料を使ったお米は嫌だ」という人は、そのお米は買わない方が無難です。

「残留農薬ゼロ」「残留農薬不検出」のお米って……? 詳しくはこちら
有機栽培に農薬が使われている!?「有機JASマーク」の盲点をしっかり知ろう
農産物の残留農薬の規制について知ってしっかり選ぼう

お米農家さんから買ってみよう


ネット通販なら、インターネット上で販売されているほとんどのお米にアクセスすることが可能です。その最高峰ともいえるのが「生産者指名買い」です。

日本には栽培方法にこだわる小規模農家が多く、その中には一般流通に向かない珍しいお米を育てている人もいます。特別栽培・有機JASだけでなく、合鴨農法や天日干しのお米、品種改良の過程で消えてしまった知られざる美味しい品種など、お米屋さんでは買えないお米に出会えるかもしれません。

個人同士のやりとりになるため慎重さも必要となりますが、最近広がりを見せている生産者直販専用のプラットフォームを利用すると、万が一のトラブルの際に運営者のサポートを受けることも可能です。


さあ、ネットでお米を買ってみよう

新型コロナの影響もあり、最近はネット通販で食品を購入する敷居は下がりつつあります。ネット通販は便利なだけでなく、自分の世界を一気に広げてくれる魔法の扉のようなものだと思います。

失敗は損ですが、失敗を恐れて手を出さないのも損。この記事があなたの新世界への第一歩につながることを祈っています。


■減農薬のあんしん・安全なお米を選ぼう!


毎日食べるお米は、子どもや家族みんなにあんしんな、農薬・化学肥料について「エビデンスのあるお米」を選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを利用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。

玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」もお選びいただくことができます。

各地の人気銘柄から、あまり見かけない貴重な銘柄をラインナップ。
お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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