サステナブルな取り組みは「食」から! 日々の生活でできること

持続可能な開発目標(SDGs)が国連サミットで採択されて以降、さまざまな企業や団体でサステナブルな社会を目指す取り組みが行われるようになってきました。SDGsと聞くと、壮大なイメージから個人には直接的に関係のないものととらえがちですが、個人でもできることはたくさんあります。

そこで今回は、私たちにとって一番重要で身近である食生活からサステナブルな取り組みを実践していくためのヒントをご紹介したいと思います。


持続可能な未来は食生活から


世界的に起こっている異常気象や飢餓問題は地球温暖化と密接に関係していると考えられています。その原因となる温室効果ガスは、私たちが普段食べている食品の生産をはじめ輸送や廃棄時などにも排出されているのが現状です。

また、世界中で親しまれているコーヒー豆やカカオ豆の生産者が極度の貧困状態であること、過酷な労働環境や児童労働を強いられているということは、毎日のようにそれらを口にしている私たちにとっても見過ごすことはできません。

これらの問題を少しでも解決の方向に近づけるために消費者である私たちができることとして、食生活を見直してみるというのが一番の近道ではないでしょうか。食生活を変えるというと大変そうなイメージがあるとは思いますが、最初はできることから始めて続けられそうなものを増やしていくことで、サステナブルな食生活を無理なく続けることができます。

買い物の時に気を付けること



ちょっとした工夫をすることでサステナブルな食生活を実現させることは可能です。どんな行動を起こせばいいのかわからないといった方のために、筆者が実践している商品購入時の判断基準や買い物の方法をご紹介します。

規格外品や賞味期限間近のものを活用


スーパーに行くと必ずといっていいほど値引きシールの貼られた商品が売られていると思います。それらは賞味期限間近のものであったり、輸送時などに傷が付いてしまった見た目の悪い商品だったりと理由はさまざまで、当たり前ですが食べられる食品です。

筆者の場合ですが、スーパーに入ってすぐ値引きシールの貼られた商品が置かれているワゴンに直行し、必要なものや使えそうなものがないかチェックします。こういった賞味期限間近の商品や規格外品は安く購入できるため購入者自身にもメリットがあるだけでなく、地球温暖化にも影響するとされているフードロスの削減にもつながります。

計画的な買い物をする


食材の調達をするときに何となく買い物をして、結局使い切ることができずに腐らせてしまったという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

1週間などまとまった日数分の献立を決めてからお店に行き、必要な食材だけ購入するといった方法をおすすめします。もちろん1週間の献立を考えるのは厳しいという場合は3日分などでもOKです。慣れるまでは少し大変かもしれないですが、計画的に買い物をすることで食材のロスを格段に減らすことが可能になります。

地産地消を意識する


地産地消とは、地域で採れた農産物や海産物を積極的に消費していこうという取り組みです。

直売所やファーマーズマーケットなどで買い物をするということは、生産者と消費者のつながりを築く目的や地域活性化になるだけでなく、流通距離を短縮することができるので地球温暖化の原因となる温室効果ガス削減にもつながります。

消費者側のメリットとしては、生産者から直接買うのでスーパーなどで買うよりも新鮮で安いものに出会えるという点です。

地域で採れた農産物を見付けるのが難しい場合は、なるべく国産のものを手に取るように心がけてみましょう。

フェアトレードなど食にまつわる認証制度をチェック


普段何気なく口にしているコーヒーやチョコレートの生産国では森林伐採による環境破壊、貧困からくる児童労働などの問題が存在します。そこで消費者である私たちができることは、積極的にフェアトレード認証などのマークが付いているものを購入することです。

こういった認証制度にはさまざまな基準が設けられていますが、自然環境保護、生産者と輸入業者の公平な取引、労働者への適正な報酬、労働環境の改善など、不利な立場に置かれがちな生産者を守るための制度になっています。

一昔前はネット通販や自然食品のお店でしか見かけないものでしたが、最近ではコンビニなどでも手軽に購入できるようになりました。

食材を余らせない工夫



食材を余らせないだけでなく、知っておくと家事の時短にもつながるライフハックをご紹介します。

保存食を作る


たくさん食材をもらったり余ってしまいそうなときは、漬け物や干し野菜(乾燥野菜)などの保存食を作ってみるのもおすすめです。特に干し野菜はスープや煮物、ピクルスなどさまざまな料理に使うことができるので、野菜が余っているときなどにぜひチャレンジしてみて下さい。

昔ながらの、塩をたくさん使用した長期保存にも耐える保存食も素晴らしいですが、手間がかかるのでなかなか手を出せないという方も多いかと思います。ここで言う保存食とは常備菜のような立ち位置のものなので、長く保存したい場合には冷凍保存が安心です。

ベジタブルストック(野菜だし)にする


余り野菜はベジタブルストックとして活用できます。冷凍した野菜と水を鍋に入れ、1時間程弱火でコトコト煮込むだけでさまざまな料理に使える野菜だしの完成です。傷みなどがなければ玉ねぎのへたや、セロリの葉、ニンジンの皮など普段は捨ててしまう部分もすべて使うことができます。

完成したベジタブルストックは製氷皿などに入れて冷凍保存をしておけば、必要な分だけ取り出せてとても便利です。

ミールキットを活用する


スーパーで買った食材を使いきれずに捨ててしまったり、せっかく料理しても食べきれないといったことがあるかと思います。そういった方にはミールキットを活用してみるのをおすすめします。

ミールキットは主菜と副菜に必要な材料だけがセットになっているので食材の無駄がなく、献立を考える必要がないため家事の負担も軽減することが可能です。

サステナブルな食生活をより深めるには


近年動物愛護や環境保護の観点からビーガンやベジタリアンなど、動物性のものを食べないことを実践する人が増えてきています。元々は欧米で急増し、最近では日本でも若者を中心に増えてきている印象です。

環境負荷を考慮するのであればビーガンやベジタリアンに挑戦してみるというのもひとつの手段ですが、肉や魚を一切食べないということはビタミンB12やオメガ3系脂肪酸などの動物性食品に含まれる栄養素が欠乏しがちになるため、サプリで補うなど体調管理も重要になってきます。

体調不良に陥らないためにもいきなり完全菜食にするのではなく、まずは週1だけお肉を食べない日を決めるなどして徐々に肉食をやめる方向に持っていくのが健全です。

サステナブルな食生活をより深めていきたいのであれば、家庭菜園を始めてみるのもおすすめです。野菜を自分で育てることができれば輸送にかかるエネルギーやゴミの削減、空き地の有効活用など環境や地域への貢献にもつながります。畑を持っていなくてもプランターや貸し農園を利用すれば比較的簡単に始めることができます。


今回は日々の生活で簡単に取り入れられることを中心にご紹介しました。サステナブルな食生活といってもあまり難しく考えすぎず、まずは自分にできる範囲でストレスにならないよう取り組んでいくことが大切です。



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全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬や肥料の使用量を最小限に抑えて育てたお米です。特別栽培米や残留農薬不検出のお米も。各地のおいしい銘柄をラインナップしています。白米と同じように手軽に炊ける無洗米玄米もあります。お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。