体と地球に優しいプラントベースフードとは?ヴィーガンとの違いも解説

世界的に注目され日本でも関心が高まりつつあるプラントベースフード。植物性の食品を中心に食べるという点でヴィーガンと混同されることも多いプラントベースフードですが、厳密には摂取可能な食品や考え方で異なる点がいくつかあるようです。

そこで今回はプラントベースフードとはどういった食事法であるかをはじめ、ヴィーガンとの違いや注目を集めている理由を紹介します。


プラントベースフードとは


プラントベースフードとは植物性の食材からなる食品や、それらをより多く積極的に取り入れることをコンセプトとした食生活のことを指しています。プラントベースフードでは「野菜、果物、全粒穀物、植物油、ナッツ」など植物性の食材を中心にバランスよく摂ることを推奨していますが、乳製品や卵など動物性の食品を食べることも可能です。

アメリカではこうした食事法のことをプラントベースダイエットと呼んでいて、生活習慣病の発生リスクが低下するなどの健康上のメリットからプラントベースフードを選択する人が増えてきています。

ヴィーガンとの違いは?


ヴィーガンは完全菜食主義といって肉類はもちろん、卵、乳製品、魚、はちみつなどのあらゆる動物性食品を摂らない食生活のことです。また、革製品やシルクといった食品以外のものでも動物性の製品は一切使用しないことからもわかるように、動物愛護や脱動物搾取という思いからヴィーガンになることを選択する人が多いのも特徴です。

一方でプラントベースフードは、健康志向や環境保護を主な目的にしていることが多いことや、動物性の食品を食べることもあることから、ヴィーガンとは違うことがおわかりいただけるかと思います。

サステナブルな食生活としても注目を集めている


プラントベースフードは健康にいいだけでなく、地球環境の保護にも役立つサステナブルな食生活として注目を集めています。

・畜産由来の温室効果ガス排出削減
日本の農林水産分野の温室効果ガス排出量は、約5000万トンで(2018年度)、そのうち約1370万トンは家畜の排せつ物から発生するメタンや一酸化二窒素と、30%程度を占めています。

特にメタンについては二酸化炭素の次に地球温暖化を進める温室効果ガスであり、牛などの家畜のゲップや排せつ物が大きな要因のひとつです。一方でメタンは温室効果ガスの中でも分解されやすい性質を持っていることから、私たちが行動することにより地球温暖化の速度を抑えることが可能な温室効果ガスとしても注目されています。

メタンや一酸化二窒素の排出源は畜産に限ったことではないものの、プラントベースフードを取り入れる人が増え、将来的に家畜の飼育数が減少し、畜産由来の温室効果ガスが削減されることで気候変動の緩和につながる可能性を秘めています。

・水資源の節約
家畜が肉として出荷できる状態になるまでにはたくさんの水が使用されているのをご存知でしょうか。数年かけて飼育される牛では特に水の消費量が多く、1kgの牛肉を作るにはその約20000倍もの水が必要だとされています。これは単に飲料用というよりも、牛の飼料となる穀物を生産する際に多くの水が使われているということ。肉食を控えてプラントベースフードに移行することで、水の使用量の大幅な削減が可能です。

日本は比較的水資源が豊富な国ではありますが、渇水が全く起こらないかというとそうではありません。また私たちが食べている牛肉のほとんどは海外からの輸入であることからも、世界で起こっている干ばつや水資源の枯渇といった問題にも目を向ける必要があります。

・食糧問題の解決策
国連の調査によると現在77億人とされている世界の人口は、2050年までに97億人にも達するという予測がされています。そうなれば当然穀物や肉類などの消費量も増加することとなり、食糧の生産性を高める必要があります。さらに地球温暖化による自然災害を原因とした農作物の不作など、さまざまな要因で食糧不足が起こる可能性があるのです。

肉類の供給を増やすには今以上に大量の穀物や土地を必要とすることからも、植物性のタンパク質源を摂る生活にシフトすることで食糧不足の解決につながると考えられています。

国内におけるプラントベースフード取り組み事例


日本ではまだまだ馴染みの薄いプラントベースフードですが、大豆ミートを使用したお弁当やレトルト食品などがコンビニで販売され始めるなど、気軽に入手できる場所が増えてきているようです。

スウェーデン発の家具ブランド「IKEA」では、2020年から肉や卵を使用しないで作られたプラントベースフードメニューの提供が始まり話題になりました。

また、これまでのプラントベースフードは健康意識の高い人たちだけが実践する食生活というイメージが強かった中、2021年に誕生したプランベースフードブランド「2foods」では、ヘルシーでありながらジャンクフード的な味と見た目を併せ持った食品の開発を行っています。現在は渋谷や六本木など都内に5店舗がオープンしていて、植物性の食材や体に優しい素材にこだわった食事やデザート、ドリンクなどを楽しむことができるようです。

2021年3月にはパソナ、カゴメ、不二製油ら日本の15企業が連携し、植物性食品を取り入れたライフスタイルの普及を目指すための「Plant Based Lifestyle Lab」が設立されるなど、日本でもプラントベースフードへの関心が徐々に高まってきていることが実感できるのではないでしょうか。


今回は健康的で環境保護にもつながる食事法のプラントベースフードについて紹介しました。厳格なヴィーガンと比べて動物性食品を食べることができるプラントベースフードは、食生活を見直してみたいと考える方にとって比較的取り組みやすい食事法です。

まずは自分の体の健康のために週一回など、無理のない程度で始めてみるのもいいかもしれません。



■玄米からプラントベースフードの食生活を始めませんか?


プラントベースフードの食生活では、栄養が十分に取れるのか気になる方も多いでしょう。
そこで、食事のベースとなるお米は、白米よりも栄養価の高い「玄米」にするのがおすすめです。

玄米を選ぶときは、自分好みの味わいだけでなく“栽培方法”も大事なポイント。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを用いて農薬の使用量を減らした、農家にも消費者にもやさしいお米です。玄米も安心してお召し上がりいただけます。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。



グリーンカルチャー株式会社「今知りたい!プラントベースの定義について徹底解説 ヴィーガンとの違いは?」
https://greenculture.co.jp/2020/09/16/pbf-definition/
カゴメ株式会社「カゴメはプラントベースフードに取り組みます」
https://www.kagome.co.jp/foodservice/thema_contents/plantbase/
株式会社TWO「2foods」
https://2foods.jp/
IKEA「 植物由来のプラントカツカレーやプラントロールキャベツも! 地球にも体にもやさしい イケアにプラントベースフードの新メニューが登場!」
https://www.ikea.com/jp/ja/this-is-ikea/newsroom/20200909-plant-based-food-pubc3beef20
サイエンスポータル「「食料不足」と「食品ロス」 〜今、世界と日本の食料問題を考える〜」
https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/sciencewindow/20191010_w01/
BBC Goodfood「What is a plant-based diet?」
https://www.bbcgoodfood.com/howto/guide/what-plant-based-diet
植物性料理研究家協会「プラントベース食が地球環境に優しい3つの理由」
https://plant-origin.org/chikuykankyo-3riyu/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
  2. 大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  3. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 田中克樹
    たなかかつき。32年間の農業出版社勤務を経て、2020年末、故郷の八ヶ岳南麓に帰郷。仲間と共に農業・福祉系NPOを立ち上げ、遊休農地・耕作放棄地を再生し、心身の癒しや健康づくりにつながる有機無農薬の体験型農園づくりに取り組む。NPOでは田んぼ除草にホバークラフトを活用したスマート技術を開発中。農と風土(フード)を愛する人たち向けのブックカフェ・居酒屋を開くのが夢。
  5. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
AI・IOTでDXを推進する企画・セールス・エンジニア大募集