食のプロに聞いた新米の楽しみ方「水温にこだわります」【栄養士・堀口泰子さん】

栄養士の堀口泰子です。

新米が美味しい季節ですね。産地によって早いものは8月頃から出荷が始まり、11月初旬にはさまざまな新米が出揃います。艶やかで、お米ならではの甘みを味わえる新米は、秋の実りを代表するごちそうと言えるのではないでしょうか。

そんな新米ですが、水分量が多く、割れやすい特徴があります。新米の上手な扱い方と、わが家の新米を美味しく楽しむ方法をご紹介します。


新米は良い状態を維持して保管


JAS法によると新米は、収穫した年の12月31日までに精米、袋詰めしたものとされています。精米されてから、お米が美味しく食べられる目安はおよそ1カ月〜2カ月です。

米袋はお米が呼吸できるよう小さな穴が空いているので、購入したら密閉できる容器に袋ごと収納するか、袋から出して移し替えて保管します。保管する容器は、お米が空になるたびに毎回洗い、よく乾かしてから再びお米を入れましょう。

わが家で新米を購入する時は長くても1カ月、大抵は2週間くらいで食べ切れる量を購入するようにしています。それ以上の量をまとめて購入する場合は玄米を購入して、2週間分ずつ精米します。新米の季節は普段よりも少ない容量を購入して、いろいろな品種のお米を試して楽しんでみるのも良いですね。

また、新米の出回り始めの気温が高い時期は、2〜3リットルの密閉容器やペットボトルに入れて、冷蔵庫の野菜室で保管するようにしています。お米を温度や湿度の高いところに保管しておくと、鮮度が低下するためです。冷蔵庫で保管することで虫の発生も予防できます。

保温性の高い住宅は冬でも室温が暖かいので、保管場所はキッチンに限らず、湿気が少なく、且つできる限り冷暗所を選ぶようにしてみてください。

新米はできるかぎり良い環境で保管して、美味しさを長持ちさせて楽しみたいですね。

「米とぎ」と「水温」を大切に


美味しいごはんを炊くためにわが家で大切にしていることは米とぎです。

お米は最初に触れた水を吸水しやすい性質があります。とぎ始めはさっと水に潜らせる程度にします。最初の白く濁った水は米ぬかや汚れを多く含んでいるので、手早く洗い流します。また、新米は割れやすいため、その後の米とぎもすすぐように優しく洗います。

新米を炊飯する時の水加減は少なめと言われています。通常の水加減は米の容量の1.2倍量ですが、新米は1.1倍くらいに減らす目安です。その一方で新米は、水加減を少なめにすれば米粒の食感が際立ち、それよりも多めにすれば瑞々しさを味わうことができます。米の品種や炊き上がりのお好みよって、ご自身が一番美味しいと思える水加減を見つけるのも、新米ならではの楽しみではないでしょうか。

炊飯に使用する水は、軟水のミネラルウォーターか、水道水であれば浄水器を通した水を使っています。水道から美味しい水が出る地域も多いので、いろいろなお水で楽しんでみるのも良いですね。

そして、炊飯で一番こだわっていることは水温です。

米とぎも炊飯も温水は使わず、できる限り冷たい水を使うようにしています。お米を炊くとき、沸騰するまでの時間が長くなることで、お米のでんぷんが十分に分解して、新米本来の甘みを味わうことができるのです。

常温の水には氷を何個か入れて水温を下げて炊飯しています。氷を使う場合は加えた分水量を減らします。浸漬時間も少なくとも30分以上、1時間くらいゆっくり時間をかけて炊いた方が断然に美味しいですね。

炊き上がったらしゃもじで切るようにほぐします。ほぐし方も実はとても重要です。五つ星お米マイスターのお米屋さんから教えていただいてから、必ず実践をしているのですが、蒸気を米のひと粒ずつに纏わせるように混ぜ合わせると米の保水膜が出来ることで冷めても美味しさが続きます。一度冷めたごはんも電子レンジで温め直したら必ず丁寧にほぐすと美味しさが復活するので、ぜひ試してみてくださいね。

また、炊飯器で炊いても十分に美味しい新米ですが、鍋や土鍋で丁寧に炊いて楽しむのもよいですね。

堀口家では「塩むすび」が定番!



美味しく炊けた新米をみなさんどのように楽しんでいらっしゃいますか? わが家では、新米のひと口目は何もつけずにお米そのままの甘みと食感を楽しんでいますよ。

定番は塩むすびです。炊きたてごはんを天然塩でおむすびにして頬張るだけで幸せを感じます。冷めてもお美味しいので、いろいろな具でおにぎりをつくって楽しんでいます。

また、新米はシンプルなおかずともよく合います。秋は秋刀魚の塩焼きも食欲をそそりますね。他にも味噌汁、漬物、明太子、塩鮭、梅干し、卵かけごはん。和食は新米の甘みや艶やかな米粒の食感を際立たせてくれます。旬の食材や素材の味を活かした料理、焼き野菜や天ぷらもおすすめです。

お米の品種によってごはんの炊き方や美味しいおかずの組み合わせを楽しむことも、新米ならではの醍醐味ではないでしょうか。

近頃は、健康的な食生活のために野菜から食べたほうがいいとも言われますよね。もちろん栄養士としては、血糖値のコントロールも大切にして欲しいことですが、人は美味しいと感じることで、胃腸の活動が活発になり、栄養を吸収することでその力を発揮しています。

新米を楽しむ時は、いつも以上によく噛んでゆっくりと味わってみてください。新米のもつ本来の美味しさと季節の恵みを味わう楽しみも大切にしてみて貰えたらうれしいのです。

新米を美味しく楽しむ方法を見つけてみてくださいね。

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堀口泰子
栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/

■せっかく新米を選ぶなら「あんしん」にこだわりませんか


今年の新米は、どの産地のどんな銘柄のお米を選びますか? お米を選ぶときは、自分好みの味わいだけでなく“栽培方法”も大事なポイントです。農薬や化学肥料の使用量を抑えて育てられた、子どもや家族みんなにあんしんなお米を選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。特別栽培米や残留農薬不検出のお米、白米と同じように手軽に炊けると人気の「無洗米玄米」もそろっています。

おなじみのコシヒカリから、ご当地で人気の銘柄までをラインナップ。

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  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。