食のプロに聞いた新米の楽しみ方「あえて“冷ます”のもおすすめ」【管理栄養士・大槻万須美さん】

管理栄養士の大槻万須美です。

新米のおいしい季節。新米の炊ける香りをかぐと、毎年米作りを手伝った子どもの頃を思い出します。そのためか、「新米」の文字をみると、「よりおいしくいただきたい」という身の引き締まる思いがするのです。

今回は、「新米」の持つ魅力を改めて感じられるような、私なりの楽しみ方をお伝えします!


まずは新米をおいしく炊いてみよう! 炊飯器でおいしく炊くコツ


新米とは、「原料玄米が生産された当該年内に精白され、包装されたお米」のことを指します。お米の収穫は9~11月がピークのため、新米が楽しめるのは数カ月の間だけということになります。

そんな貴重な新米をよりおいしく食べるために、まずは新米ならではのお米の特徴に合わせた炊飯を意識してみてはいかがでしょうか。

炊飯器で新米をおいしく炊くコツをご紹介しましょう。

  • 洗米
新米の米粒はやわらかいので力を入れすぎず、洗う回数も2~3回程度にやさしく洗いましょう。

  • 浸水
通常の浸水時間は30分程度ですが、新米の吸水時間はやや短めがおすすめ。季節が進み気温が低くなったら吸水時間は1時間ほどにします。

  • 水加減
新米は保水量や吸水率が高く、細胞壁もやわらかいため、炊き上がりはみずみずしくもちもちしていてやわらか。普通に炊いてみてベタつきが気になる時は、水加減は少なめに設定します。お好みに合わせて、1合あたり大さじ1程度水を減らしてみましょう。

  • 炊飯
粘りが出やすいので、通常よりも高火力・短時間で炊き上げたいですね。「新米モード」のない場合は「早炊きモード」がおすすめです。

  • 蒸らし
蒸らし時間を設定できる場合は短めに。

  • 炊き上がりのほぐし方
炊き上がった新米ごはんはふっくらとしてやわらかいため、かき混ぜすぎるとつぶれて粘りが出てしまいます。ごはんの底の方から大きくやさしく返し、余分な水分を逃がすようにしましょう。

  • よそい方
お茶碗によそう時は、ふんわりと2すくいくらいで盛り付けます。ギューギューと押し付けたり、大盛にしたりするのは、ごはんがつぶれてしまう原因となります。

まずはいつものように炊いて、次からはお好みに合わせて調整しカスタマイズしていくのが、新米を最大限においしくいただくポイントですよ。


新米をもっと楽しむ! 私のこだわりの食べ方


炊き立ての新米の甘みや香りを十分に楽しんだところで、さらにもうひと工夫。こんな新米の楽しみ方がありますよ。

新米ごはんの隣に具だくさんのみそ汁


1月から2月にかけて仕込まれたみその食べごろも実は新米の時期。自分で仕込んだみそやお好みのみそを使ったみそ汁との相性は抜群です。

新米の時期にはこの2品だけで極上のごちそうに。みそ汁には秋の味覚をたっぷり入れて具だくさんにすると栄養アップにもなりますよ。

ほかほか新米ごはんとパリパリ海苔


ほかほか炊き立ての新米ごはんのおいしさがより引き立てられる組み合わせとしておすすめなのが、パリパリした海苔で包んで食べる食べ方。

新米ごはんとパリパリ海苔の食感のコントラストが、食欲を無限に誘うシンプルな食べ方です。お好みの塩をパラパラと振ってもおいしいですね。

秋の味覚とのコラボレーション


きのこや栗、さんまといった秋の味覚がおいしい季節には、炊き込みごはんや混ぜごはんもおすすめ。水分量や調味料を控えめにすることで、素材のおいしさをより味わえますよ。その他、献立でのコラボレーションも最高です。

新米ごはんのTKG


新米ごはんの人気の食べ方といえば卵かけごはんです。粗熱をとった新米ごはんに、新鮮な卵としょうゆをかけてかきまぜると、新米ごはんの甘みと卵のうま味がからまって絶妙なおいしさに。ごはんを炊く時には水分量を少なめにしておくのがポイントですよ。

冷まして食べる新米ごはん


冷めてもやわらかくもちもちしているのが新米のもう一つの魅力です。冷ました新米ごはんは炊き立てのときに比べて歯ごたえが強くなり、しっかりと噛むことで新米のもつ甘みや香りを存分に味わえるんですよ。冷ます時には、乾燥しすぎないように気をつけながら蒸気を逃がすようにしましょう。

土鍋で炊く


土鍋は、その熱伝導率の低さと蓄熱性の高さによって、さらにごはんがおいしく炊けますよ。余裕があれば土鍋にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

皆さんはどんな風に新米を楽しんでいますか? 「新米」という言葉はそれだけでブランド米に匹敵するくらいの魅力があると思います。今年も新米をいただくのが楽しみです。

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大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

■せっかく新米を選ぶなら「あんしん」にこだわりませんか


今年の新米は、どの産地のどんな銘柄のお米を選びますか? お米を選ぶときは、自分好みの味わいだけでなく“栽培方法”も大事なポイントです。農薬や化学肥料の使用量を抑えて育てられた、子どもや家族みんなにあんしんなお米を選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。特別栽培米や残留農薬不検出のお米、白米と同じように手軽に炊けると人気の「無洗米玄米」もそろっています。

おなじみのコシヒカリから、ご当地で人気の銘柄までをラインナップ。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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