「炊飯」と「パックご飯」は結局どっちがいいの? メリットとデメリット

栄養士の堀口泰子です。

パックご飯は、手早くおいしいご飯が食べられるレトルト食品です。

毎日忙しく暮らす現代の日本人にとって、炊飯パックご飯はどちらがよいのでしょうか。

時短と保存なら「パックご飯」



パックご飯のメリットは炊飯に比べて、調理時間を大幅に短縮できるうえ、レンジで加熱すればすぐに食べられ非常に便利なことです。

また、パックご飯は製法の違いで種類が2つあります。

ご飯を容器に入れてから加圧・加熱殺菌した「レトルト米飯」と、炊飯前のお米を殺菌し調理した後無菌包装した「無菌包装米飯」です。いずれも電子レンジでの加熱や湯煎ですぐに食べることができ、常温保存が可能です。

賞味期限は、「レトルト米飯」は製造から12カ月以上、「無菌包装米飯」がおよそ6カ月から10カ月が一般的。「レトルト米飯」のほうが賞味期限が長く、「無菌包装米飯」のほうがご飯本来の風味や食感を楽しめる点で違いがあります。

このように、パックご飯は常温保存ができて、賞味期限が比較的長いことから、忙しくて調理の時間がない時、買い物に行けなくてお米を切らした時、さらに非常時用の保存食としても常備しておくと安心です。

一方、パックご飯のデメリットは1食あたりの価格です。とはいえ、1食分のご飯量で考えると、炊飯より高価ではありますが、コンビニでおにぎりを購入する場合と比較すれば費用の差はあまりないといえそうです。

美味しさと価格なら「炊飯」



炊きたてのご飯の美味しさは、なによりのごちそうではないでしょうか。

また、食料品の値上げが続く中でもお米の価格は安定しています。

総務省統計局の「小売物価統計調査(2023年3月東京都区平均のお米価格)」と炊飯の電気代を加味して試算したところ、お米1食(200g)あたりおよそ47.5円でした。

もし、平均価格よりも高い品質の良い美味しいお米を購入したとしても、炊飯はパックご飯より価格が安いことは大きなメリットといえるでしょう。

季節の野菜や旬の食材を使って炊き込みご飯や、炊飯器でおかずを同時につくることも可能です。炊飯はバリエーション豊かな献立を楽しむことができますね。

デメリットは炊飯時間を要すること。炊飯器によって違いはありますが、普通炊きは50分~1時間、早炊きモードの場合は30〜40分ほどです。

忙しく調理時間がない場合や疲れて調理が面倒になってしまった時に炊飯は不便かもしれません。時間がある時にまとめて炊飯して1食分ずつ冷凍保存しておくとよいですね。無洗米を使うのもいいでしょう。

そして、お米を美味しく食べるためには精米してから約1カ月ほどで食べきるのが理想的です。

もし1食200gを1日2回食べるならば、1人あたりのお米の消費は1カ月で5kgほどです。開封後は冷暗所や冷蔵庫内で保管し、できる限り早く食べきるために、購入するお米の容量に配慮する必要があります。

美味しいご飯を食べる工夫を心がけ、長期の旅行などでしばらくお米を食べない場合は、お米の残量にも気をつけておきたいですね。

ライフスタイルに合わせて使い分けよう


ここまでをまとめると、「パックご飯」は忙しい方や自宅でごはんを食べる頻度の低い方におすすめです。炊き忘れたときや非常時用の保存食としても常備すると安心ですね。

一方で「炊飯」は、おうちでご飯を食べることが多い方や、ご飯料理を楽しみたい方におすすめ。冷凍保存したり、無洗米などで工夫すると手間が省けます。

また、惣菜や持ち帰りの弁当を自宅で食べるいわゆる「中食」を利用している人が増えています。

・朝食はコンビニで買ったものを自宅で食べる
・夕飯は買ったお弁当を自宅で食べる

このような方は、炊飯とパックご飯をかしこく使い分けてみてはいかがでしょうか。

例えば、おにぎりを買って自宅で食べている方は、パックご飯を使うことで浮いたコストで野菜ジュースなど1品追加して栄養補給ができそうです。温かいご飯を食べることで、胃腸の働きが良くなるので、体調管理にも役立ちそうです。

買ったお弁当を自宅で食べている方は、炊飯もしくは冷凍保存しておいたご飯を使うことでコストを抑えることができるので、普段より1品多くお惣菜を食べられるかもしれませんね。

自宅で食べる頻度や冷蔵庫の保管スペースなどで、炊飯とパックご飯利用の割合を調整してみるのもよいでしょう。

 

お米は効率の良いエネルギー源で脂質が少ないため健康的です。一人暮らしや多忙な毎日で食生活が不規則な人ほど、かしこく積極的に利用してみてくださいね。

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堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


■炊飯が面倒な「玄米」こそパックご飯がおすすめ! 


SMART AGRI FOODから発売しているパックごはん「国産スマート米 寝かせ玄米ごはん」は、電子レンジで約2分温めるだけでもっちもち食感のおいしい玄米が食べられるレトルトごはんです。

圧力釜で炊き上げた後、3~4日寝かせる「寝かせ玄米(R)」の製法で仕上げているので、玄米特有の食べにくさがありません。

忙しい方や、お弁当に持っていく方、家族の中で自分だけ玄米を食べるという方も、いつでも手軽にふっくら玄米をお召し上がりいだだけます。


「スマート米」とは
全国各地のこだわりの農家さんと共にスマート農業を活用し、農薬の使用量を抑えて育てています。
玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」も選ぶことができ、家族みんなにあんしんなお米です。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

 
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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