炊飯器で炊き込みご飯が失敗! おいしく作るコツと失敗したときの対処法

栄養士の堀口泰子です。

季節の食材を使った炊き込みご飯が美味しい季節ですね。普段は失敗することはないのに、なぜか上手く炊けなかった! という経験はありませんか。

炊飯器でつくる炊き込みご飯を失敗しないコツと失敗したときの対処法についてご紹介しましょう。


炊き込みご飯が美味しく炊けない理由


炊飯器でつくる炊き込みご飯は失敗が少ない印象がありますが、意外に美味しく炊けない例が多い料理です。その理由には大きく3つあります。

1.浸漬時間


炊き込みご飯は調味料が入るので、水で炊くときよりもお米の吸水がゆっくりになります。

浸漬時間が短ければ吸水率は下がるため、普段、浸漬時間が短くても美味しくて炊けている感覚で炊き込みご飯をつくると、美味しく炊けなかった! という原因になりやすいのです。

特に肉などを生のまま炊き込む場合は、衛生面でも具材を入れる前に浸漬し、米の吸水を済ませてから具材を入れて加熱を始めるなどの工夫が必要です。

2.水加減


炊き込みご飯をつくるときは、調味料分の水分を減らして炊飯します。調味料を加える手順が浸漬する前と後どちらなのか、レシピのとおり正しく炊飯する必要があります。

また、炊き込みご飯は具材の水分量にも大きく影響を受けます。1個や1/2本など単位が同じでも具材の個体差や重量の違いで水分量に差が出ます。

水分だけでなく肉などの脂にも同様に影響を受け、炊き上がりがべちゃっとしてしまうことがあります。逆にひじきなどの乾物を入れすぎてしまうとお米が硬くなる原因となるので、レシピどおりにつくることが大切ですね。

3.炊き方


お米は、炊飯器の中で水が対流しながら加熱されることでふっくら美味しく炊きあがります。炊き込みご飯は具材があるので、炊飯中の水の対流を妨がないように炊飯する必要があります

具材が多すぎたり、お米と混ざりあった状態で炊飯すると、水の対流を邪魔してしまうことで芯が残ったり、炊きムラが起こる原因となるのです。

具材を加える工程でレシピに混ぜ合わせる指示がない場合は、具材はお米と混ぜ合わせず、のせるようにして炊飯釜に入れるようにしましょう。


硬かったとき、芯が残っていたときは?


炊き上がりが硬かったり、芯が残った場合、耐熱容器に移し替えてお酒を大さじ1〜2杯加えてラップをして電子レンジで15分ほど加熱します。状態をみて時間を延長してみてくださいね。

水を50mlほど加えて炊飯器で炊きなおす方法もあります。

柔らかすぎたときは?


柔らかすぎた場合の救済もおすすめは電子レンジです。耐熱容皿などに、できるかぎり薄く広げ、ラップをしないで様子を見ながら加熱し、しゃもじで切るように混ぜて水分を飛ばします。

それでもべちゃっとしている場合は、思い切ってリメイクしちゃいましょう。ドリアやグラタン、トマト水煮を加えてリゾットにしてもよいですね。

いかがでしたか。炊き込みご飯の失敗しない炊き方で、おいしく彩り豊かな秋の食卓を楽しんでみてくださいね。

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堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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