梅雨はお米のカビ・虫に注意! 正しい保管方法と湿気対策

管理栄養士の大槻万須美です。

お米の保管について、おいしく食べられるように劣化を防ぐだけでなく、カビや虫などがつかないように気をつける必要があります。

特に梅雨の時期は湿気がこもってカビが発生したり、保管状態によっては虫が大量に発生してしまうことも。

梅雨に気になる、お米の正しい保管方法と湿気対策について解説します。


梅雨は2つのリスクが高まる


一年の中で特に生鮮食品の衛生管理に注意が必要な梅雨の時期。お米の保存についても例外ではありません。

この時期は湿度も高く、気温の幅も大きいため、お米を保存する際にも大きな2つのリスクが高まります。

1.虫のリスク


お米につく害虫として知られている「コクゾウムシ」と「ノシメマダラメイガ」は、米粒に卵を産みつけ、気温20℃以上になるとひと月ほどで孵化します。お米を食べながら成長→産卵→孵化を繰り返し大量発生していきます。

お米に虫がわいてしまったら、すべて捨てなければならないわけではなく、お米につく虫自体は人体には無害とされているため、被害の範囲が小さければそれ以外のお米は食べることができるとされています。

しかし、虫に喰われたり卵を産みつけられたり、ノシメマダラメイガが吐く糸が張ったりしたお米が広範囲にわたる場合、また、アレルギーの心配のあるときには、処分したほうがよいでしょう。

2.カビのリスク


カビの胞子は環境の中でどこにでもあり、空気中を浮遊しているカビ胞子は、条件のそろった場所に付着すると、増殖して目に見えるほどのカビの塊にまで成長します。お米の表面に黒いものや青っぽいものが付着していたり、洗米のときに水が黒っぽく濁ったりしていれば、カビが生えていると考えられます。

カビのついたお米は、水で洗っただけではカビは落ちず、米粒の内部にまで菌糸が届いていることもあります。さらに、カビから発生する毒は熱に強く、炊飯程度の加熱では分解されません。カビの生えてしまったお米も食べないようにしましょう。

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お米の色が変、それってカビかも? 対策方法は?

正しい保管方法と湿気対策



お米に虫やカビがつかないようにするためには正しい保管が必須。5つのポイントをおさえておきましょう。

ポイント1:低温に保つ


虫やカビは、一般的に気温20℃を超える湿度の高い環境下では活発に繁殖・生育し、逆に気温15℃以下では発生が鈍るとされているため、保管は冷蔵庫の野菜室やドアポケットなどの低温環境が最適です(カビの中には低温で繁殖するものもあるため、冷蔵庫を過信しないようにしましょう)。

また、冷蔵庫にスペースがない場合には、風通しがよく温度が上がらない場所へ。コクゾウムシは光と乾燥を避けるため、直射日光の当たらない明るい場所も有効です。

ポイント2:密封できる容器に入れる


お米は袋のままおいておくのではなく、密閉できる容器に移し替えて虫の侵入や湿気を防止しましょう。ペットボトルや密閉できるお米の保存容器がおすすめですよ。

たとえお米の袋が未開封でも、ノシメマダラメイガの幼虫は袋を食い破って中に入ってきたり、成虫でも小さな通気孔から侵入できるといいます。においで虫を誘引しないように脱臭効果のあるお米用の防虫剤を入れておくと効果が高まります。

▼ペットボトル保管についてはこちら
2リットルペットボトルにお米は何合入る? ペットボトルで保管するメリットや注意点

ポイント3:キッチンやお米の保管場所は清潔に保つ


虫の繁殖期のピークは夏。そのため、春先からしっかりとキッチンやお米の保管場所を清掃し、虫がわいたりカビが繁殖したりしないように衛生状態をキープしておきましょう。

特にお米の害虫は、玄米や雑穀などの穀類、小麦粉やパスタなどの乾麺、お菓子にまで発生してお米に移ってくることもあります。常備しているほかの食品もチェックし、虫やカビを発生させないようにすることが大切です。

ポイント4:お米の必要量を把握し、使い切れる量を購入する


お米は生鮮食品のため、精米から1カ月以内を目安に食べきれる量を購入し、保管期間が長くならないように管理しましょう。

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お米は1カ月に何キロ購入するのが正解?【お米のキホン】

ポイント5:湿度対策をしっかりと


湿度が低く乾燥した条件では、カビの生育を抑えることができます。湿度が65~70%以下になるとカビは生育しにくくなるため、湿度が高くならないように対策をしましょう。

  • ぬれた手でお米を扱わない
  • 計量カップや容器はしっかりと乾燥させる
  • 冷蔵庫で保管する場合は結露に注意する
  • 冷蔵庫から出したら素早く計量して、すぐにしまうようにする


このように、お米に発生する虫やカビは正しい保管と対策で避けることができます。

梅雨の時期に差し掛かる前に、保管場所をしっかりと清掃し、正しい保管方法や対策を徹底させておきたいですね。


米穀安定供給確保支援機構:米ネット お米Q&Ahttps://www.komenet.jp/faq/ip54.pdfhttps://www.komenet.jp/faq/ip03.html農林水産省「買い置きしていたお米に、いつの間にか虫がわいてしまいました。どうしたら良いか教えてください。」https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1609/01.htmlアース製薬「害虫なるほど知恵袋 お米にわく虫、コクゾウムシはどこからくる?」https://www.earth.jp/gaichu/wisdom/sonota/article_010.html
大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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