観光果樹園「王将果樹園」、人手不足を解決する農泊プラン「体“換”農泊」開始

株式会社やまがたさくらんぼファームは、果樹園の隣に宿泊し、田舎暮らしを実感してもらうことやさくらんぼの収穫期である5月6月に労働力を確保することを目的に、さくらんぼファームで農業体験をした時間を宿泊料に充当する新たな農泊プラン「体“換”農泊」の募集を、4月1日(水)から公式ホームページで開始する。

さくらんぼ収穫作業

農業体験を宿泊料に 労働力不足解消も目的に

やまがたさくらんぼファームは、観光果樹園である「王将果樹園」と直営カフェ「oh!show!cafe」を運営している農業生産法人。山形県最大級の規模の観光果樹園となっており、カフェと併せて年間約6万人が来園している。

社屋ショップ&カフェ

1Fショップ

近年田舎暮らしを体験したいという需要が増えている中、やまがたさくらんぼファームでは、付近のビジネスホテルに宿泊してもらいながらの農業支援ツアーを受け入れてきた。その取り組みの中で、参加者のニーズが「より地域に深く関わること」「第二の故郷のような“繋がり”を感じること」にあるということが見えてきた。

そこで、さくらんぼの収穫期である5月〜6月を中心に、労働力が不足してしまう農業ならではの課題とマッチングさせ、「体“換”農泊」を企画。離農した農家の自宅を買い取って宿泊地に転用し、新たな農泊を体感する場として活用することで、参加者は果樹園をより身近に感じるとともに、気軽に地域の人々との交流が図れ、本格的な農業体験が可能になるという。

さらに、農業体験をした時間を参加者の宿泊料に充当することで、参加者の充実した農泊体験とやまがたさくらんぼファームの労働力の確保を同時にかなえる。

さくらんぼハウスにてスタッフと農泊体験者と共に
やまがたさくらんぼファームで体験できるのは、さくらんぼやラ・フランスをはじめとした果物の収穫をはじめ、果樹園の管理作業や果物の箱詰め、出荷作業などで、体験内容は時期と天候によっても変わってくる。

また、宿泊施設となる研修棟「やまさくハウス」では、山々に囲まれた静かな環境で果樹園内を散歩したり、地域の文化に触れることでリフレッシュできる。

やまがたさくらんぼファーム代表取締役の矢萩美智氏は今回の企画について、「この取り組みは、慢性的な労働力不足になっている弊社が、後継者不足により離農した農家の自宅を買い取って、その活用方法を検討したことで実現することができました。全国の農山漁村ではここ山形と同様に担い手の減少により、空家が増えコミュニティの維持が困難になり、美しい景観が失われつつあります。農業は食料の供給だけではなく、洪水防止や酷暑を和らげる気温調節などの多面的機能を持っています。農業は、収穫期に必要な労働力を地域で確保することが難しく、大きな課題になっています。今回の『体“換”農泊』によって非農家の方々が気軽に農作業を楽しむことで関係人口を増やし、農業現場の労働力不足を解消することで、より輝く農山漁村を目指します」と語っている。

農業体験スケジュール

目安:4時間の農業体験=素泊まり1泊(食事なし)
1週間滞在の一例(農業体験8時間/1日×3日+休息日3日)※自家用車で参加の場合
1日目:来園
2日目:8:00~17:00(内昼休憩60分)農業体験
3日目:8:00~17:00(内昼休憩60分)農業体験
4日目:近隣の観光(温泉巡りや山形の食を満喫)
5日目:9:00~17:00(内昼休憩60分)農業体験
6日目:宮城県観光(宿泊施設から車で約90分で仙台市)
7日目:帰宅

山形名物の芋煮会で農業体験者と交流

研修棟「やまさくハウス」

・所在地:山形県天童市(弊社から約100m)
・アクセス:JR天童駅から車で15分
山形道 山形北インター、天童インターより20分
おいしい山形空港から車で20分
・宿泊場所の間取り:4LDK
・建物面積:154.3平方メートル
・築年数:19年
・設備:キッチン有(自炊可)、トイレ(温水洗浄便座)2か所、浴室(浴槽付)、wi-fi、駐車場有
コンビニまで徒歩10分圏内

外観 研修棟「やまさくハウス」

株式会社やまがたさくらんぼファーム
https://www.ohsyo.co.jp

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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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