イーエムアイ・ラボ、水田の除草剤散布を用途とした小型無人ボートを販売

無人ロボットの研究・開発を手がける株式会社イーエムアイ・ラボは、水田の除草剤散布を用途とした無人小型ボートの販売を2020年4月より開始した。販売価格は39万8000円(税込 ※液剤用の標準タイプ)。

同社の小型無人ボートは、中山間地域の小・中規模農家を対象としたモデルで、同社は「担い手不足が深刻な中山間地域の課題解決につなげたい」とコメントしている。


イーエムアイ・ラボは、無人ロボットの研究・開発、AIシステムのプログラムなど、スマート技術を駆使したさまざまなサービスを展開する長野県のスタートアップ企業だ。
同社は、日本の耕地面積の約4割を占めるという中山間地域における農業課題の解決を目指し、ユーザーのニーズに合わせた製品およびサービスの提供を行っている。

 軽量かつコンパクトな船体で効率的な除草剤散布を


イーエムアイ・ラボが開発した無人小型ボートは、発泡スチロールを素材とする軽量な船体が特徴の農業用小型ボートだ。

重量は約10kgと従来型の農業用小型ボートよりも軽く、船体の規格も全長90㎝×全幅70㎝とコンパクト。使用できる水深は5㎝以上で、ボディには損傷を軽減するための特殊加工が施されている。

除草剤のタンク容量は5Lで1分間当たり約500mlを散布。標準タイプは液剤の除草剤のみを対象としているが、粒剤タイプおよび両用タイプへの変換加工も可能とのこと。

動力源には約20分間の静音走行を可能とするバッテリー式のモーターを採用。ボートの操縦は送信機によって行われるが、複雑な操作は必要とせず、簡単な操作項目のみで操縦ができるそうだ。

イーエムアイ・ラボでは、無人小型ボートのさらなる可能性として、水田全体をかき混ぜて除草を行うチェーン除草に対応したアタッチメントの制作も進めているという。


株式会社イーエムアイ・ラボ
https://emi-lab.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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