愛媛県発の地方ベンチャーが農業に特化したアルバイトマッチングサービス「AIagri.(アイアグリ)」をスタート

愛媛県発の地方ベンチャー企業・株式会社KIRIは、地域の活性化に貢献する取り組みとして農業に特化したアルバイトマッチングサービス 「AIagri.(アイアグリ)」を、2020年5月20日(水)に開始した。

サービスは同社が本社を置く愛媛県からスタート。同社は 「AIagri.」の提供を通じ、愛媛県の発展に欠かせない農業の人的課題を解決することで、今後はそのサービスを全国各地に広げていきたい考えだ。


KIRIは、愛媛県松山市に本拠を構える地方発のベンチャー企業。
インターネットや通信・放送等の電子・電波メディアを利用した情報の収集・処理・提供が主な事業内容で、人材派遣業や有料職業紹介業、地域型旅行業務も幅広く展開している。

社名であるKIRI(キリ)は、日本の伝統的な工具の「錐(きり)」を意味しており、「最初は小さな穴でも多くの力で広げていくこと」をコンセプトに、地域活性化を目指した事業を推進しているという。

LINE@アプリのメッセージ機能を活用した新しい求人サービス


 「AIagri.」は、LINE@アプリのメッセージ機能を活用した農業特化型の求人サービス。
求人側と応募者で交わされる一切のやり取りを、アプリ上のメッセージのみで完結できるのが特徴だ。

 「AIagri.」では応募者への連絡や案内など通常求人側が行う業務も代行してくれるほか、履歴書の準備や面接など応募者が一般的なアルバイトで求められるプロセスを踏む必要がないため、気軽に求人を出せるという。

ユーザー登録は、LINE@アプリをインストールし、専用QRコードを読み取るだけで完了できるとのこと。

業務終了後には、雇用した農家とアルバイトによる相互アンケートを実施。
待遇や仕事内容、勤務態度などを双方にフィードバックすることで、持続的な人材供給を実現していく考えだ。

求人の掲載は、「農家の金銭的な負担を最小限に抑えたい」という同社の想いから、完全成功報酬型の料金体系となっているそうだ。

 「AIagri.」を通じ、農業を未来へとつなぐ環境作りに取り組む


農村地域では、古くから「地域の家族的関係」をベースとした労働力の相互協力が行われてきたが、現在は地域全体で高齢化が進むなど、地域内のみでの人材確保が困難な状況という。

さらに若年層の人材不足は一層深刻化しており、最近では新型コロナウィルス感染拡大の影響で外国人研修生が来日を見送るなど、若手人材の不足が恒常化している。

同社が「AIagri.」をリリースしたきっかけは、
「収穫時期に人が集められないから、作物はあっても規模を縮小しないといけない。」
「生産性を上げるために、規模拡大したい。でも普段の農作業が忙しいから、なかなか人を雇用できない。」
といった、地元愛媛県農家の声によるものだったという。

同社はサービスのリリースにあたり、「地域の発展に欠かせない農業という文化を未来へつなぐ環境作りに取り組んでいきたい」とコメントしている。


アルバイトマッチングサービス「AIagri.(アイアグリ)」
https://aiagri-farmer.com/
株式会社KIRI
http://kiri-ltd.com/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
パックごはん定期便