パナソニック、土壌と作物の状態を可視化する「栽培ナビ ドクター」の提供をスタート

パナソニック株式会社は、土壌と作物の分析を通じて農作物の生育状況を管理する「栽培ナビ ドクター」の提供を2020年5月28日から開始した。料金はプランによって異なり、3000円〜1万5000円。

同社では、土壌と作物の両方の状態を可視化することで、小・中規模の農業者を対象に安定的かつ効率的な栽培方法の確立をサポートしていく考えだ。

出典:パナソニック株式会社

「土壌総合診断」「土壌定点診断」「作物体診断」の3つの診断サービス


「栽培ナビドクター」は、土壌総合診断・土壌定点診断・作物体診断の3つの分析が行える診断サービスだ。

出典:パナソニック株式会社

土壌総合診断サービス


施肥前の土壌の状態を総合的に診断するもので、土壌の生化学反応に欠かせないマグネシウムや有機栽培に必要なミネラル群など26項目(水稲の場合27項目)を分析する。

分析することで栽培する作物に必要な成分の過不足が把握できるため、最適な土壌づくりが可能となる。
同社では「土壌総合診断サービスを活用することで、減農薬、減化学肥料栽培、有機栽培に活用できる」としている。

土壌定点診断サービス


作物の生育段階に合わせて実施する土壌診断サービス。
農作物の生育に必要な土壌の状態や成分の過不足を知ることができ、生育不全や開花・着果不良、病害虫が発生している時に実施するとより効果的だという。

作物体診断サービス


栽培中の作物や収獲した作物を診断するもの。
診断では糖度や酸度、葉緑素、交換性苦土、交換性石灰、交換性カリ、硝酸態窒素、ナトリウムなど8項目を分析する。

先着500名を対象にしたオープン記念サービスも展開中


「栽培ナビドクター」は、申し込みから結果閲覧、施肥アドバイスまでのすべてがWEB上で完結できるほか、栽培結果が管理できる機能や、記録・確認、改善を管理する機能を備えたマイページも無料で利用できるという。
また、2016年12月から提供している栽培履歴と環境を可視化した「栽培ナビ」の利用者であれば、同じID・パスワードで利用可能。

料金は、土壌総合診断サービスが1万5000円、土壌定点診断サービス1万円、土壌定点診断サービス5000円、作物体診断サービスが3000円。(水稲の場合は1項目追加)

同社では、オープン記念として先着500名を対象にサービスの無料提供を実施中で、申し込みの具体的な方法については、栽培ナビドクターホームページで確認できる。

今後は、肥料や資材の使用状況を管理する機能の公開も予定されており、同社は「今後もサービスの拡充を進めることで、サスティナブルな循環型農業の実現を支援していきたい」とコメントしている。


栽培ナビ ドクター
https://agri.panasonic.com/soil/
土壌と作物の状態を見える化し、サスティナブルな営農を支援する「栽培ナビ ドクター」の提供を開始|パナソニック株式会社
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/05/jn200528-3/jn200528-3.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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