「やさいバス」、ヤマト運輸の宅急便と連携した農産品流通サービスをスタート

やさいバス株式会社とヤマト運輸株式会社は、2020年6月8日から一部地域より、「やさいバス」のシステムとヤマト運輸の宅急便ネットワークの連携による新しい農産品流通サービスを開始した。

販路拡大をサポート


ECを通じてあらゆる商品やサービスを消費者に直接販売することが可能になったが、農産品流通においては出荷団体を介した販売が多くの割合を占めている。その要因には、生産者の高齢化などで、ECを活用した販路開拓の仕方がわからない、物流面でも小ロット多頻度の輸送手段や購入者の希望する輸送品質の確立が必要になるなどさまざまな課題も。

こうした課題解決に向けて、農産品の生産者と購入者を繋ぐシステムを持つやさいバスと、日本全国に張り巡らされた宅急便ネットワークを持つヤマト運輸両社が、経営資源を掛け合わせることで、ECを活用した販路開拓と、送り状の準備などの出荷業務効率化を支援する、新しい農産品流通サービスを提供することとなった。

6月8日のサービス開始時点では静岡県、長野県、神奈川県、東京都、茨城県における生産者から購入可能。今後、中部地域、関東地域を中心に順次拡大していく予定。

生産者・消費者ともにメリットを得られる

まず生産者のメリットとしては、やさいバスサイトに出品することで遠隔地への販路開拓が進められる。また、消費者への直売だけでなく小売店や飲食店などへの直卸しが可能になり、出荷団体を介した販売より、利益率の増加が見込める。

消費者に直接販売することで、農作物を新鮮なまま消費者に届けることができるうえ、両社のシステムの連携により、出荷指示や送り状の準備など出荷業務の効率化も図れるという。

そして購入者のメリットとしては、生産者の顔が見える新鮮で高品質な農産物を、さまざまな地域からスマホなどで簡単に仕入・購入することが可能になる。

販売の流れ


  1. 購入者は、事前にやさいバスのサイトから会員登録。
  2. 購入者から注文を受けた生産者は、やさいバスのサイトに出荷場として登録された宅急便センターに農産品を持ち込む。
  3. 商品は、ヤマト運輸が宅急便ネットワークで輸送。
  4. 購入者は、受取拠点として指定したネコサポステーションで最短翌日に農産品を受け取ることできる。

受取可能店舗情報

現在はヤマト運輸のネコサポステーション3店舗を受取店舗として利用が可能。

・永山店:東京都多摩市永山4-2-3-105
・貝取店:東京都多摩市貝取4-2-1-10
・グリナード永山店:東京都多摩市永山1-4グリナード永山3F

今後は受取拠点として宅急便センターを展開するなど、取扱エリアの拡大を目指すという。

やさいバス
https://vegibus.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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