「九州農業ドローン学校 熊本校」が6月より開校 農業用ドローンの安全運用へ

株式会社レイメイ藤井とマッハロック九州株式会社は、農業用ドローンの認定スクール「九州農業ドローン学校 熊本校」を熊本県合志市に開校した。

同校の開設は、熊本県下における農業用ドローン操縦者の育成とドローンの販売・点検・修理・サービスの充実を目的としたもの。同県北地域では初の認定スクールとなる。

「九州農業ドローン学校 熊本校」で使用されている教習用ドローン
レイメイ藤井は、文具や紙など事務用製品の製造・卸販売を手がける熊本県の製造メーカーだ。
同社は、2016年に発生した熊本地震をきっかけにドローン事業への参入をスタートし、販売や講習、運用方法の提案を行いながら、ドローンが安全に活用される社会の実現に向けた事業活動を推進している。

マッハロック九州株式会社は、電動アシスト自転車やオートバイ、船舶などの販売・点検・修理・サービスを手がける熊本ヤマハ株式会社の関連会社として設立されたICT企業。ネットワークの構築やシステム開発、ホームページ構築等の事業を行うほか、クマモト未来型農産業コンソーシアム推進協議会の会員企業でもある。

クマモト未来型農産業コンソーシアム推進協議会は、熊本県や合志市が参画する産・官・学・民による地域団体。
農家への経営支援、企業誘致、人材育成などを通じて地域の活性化に取り組んでいる。

農業ドローンで地域の生産現場に安全性と効率性を


「九州農業ドローン学校 熊本校」では、以下6つの事業方針のもと、スクールの運営が行われている。

  1. ドローンを安全かつ効率的に活用する実践的な技術を提供。国土交通省認定講習団体として認定証を発行する。
  2. DJIなどドローンメーカーの最新機種の販売ほか機体の保守、機体の修理サービスを提供する。
  3. 圃場への農薬散布、肥料散布、播種、病害虫対策、センシング、鳥獣害対策請負業務を行う。
  4. 農作物運搬を想定したハイブリットドローンや、容易にドローンを運搬できるような器具の開発を行う。
  5. 地域の高校や大学などへドローンの安全啓蒙活動を行う。
  6. 地域と連携し、若い世代が日々を楽しく農業を営む活気あふれる町づくりを行う。

同校では、農業現場での有効活用として、空中からの農薬散布ほかセンシング技術との組み合わせによる病虫害の発生状況等の把握を挙げている。

スクールでの農薬散布風景
害獣駆除では、高齢化などを要因に減少が進む狩猟者の軽減を図るため、害獣の嫌がる音が鳴るスピーカーを搭載したドローンによる追い払いや、照明ライトによる威嚇などの害獣対策を推進する方針だ。

「九州農業ドローン学校 熊本校」の運営が農業分野への初参入となる両社では、「クマモト未来型農産業コンソーシアム推進協議会の協力を得ながら、先進技術を活用した事業を展開したい」とコメントした。


株式会社レイメイ藤井
http://www.raymay.co.jp/
マッハロック九州株式会社
https://mlk.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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