閑散期の企業から繁忙期の農家へ人手を届ける「AIagri.マッチング」、愛媛県でサービス開始

農業に特化した単発アルバイトマッチングサービス「AIagri.(アイアグリ)」を運営する株式会社KIRIは、農業現場の人手不足の解消を目指したサービス「AIagri.マッチング(アイアグリマッチング)」の提供を愛媛県エリアで開始した。

「AIagri.マッチング」は、企業の従業員が企業に籍を置いたまま、農業分野で一定期間(1か月~6か月程度を想定)働けるサービスだ。年間の中で閑散期が存在する企業や旅行業界など新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける企業が対象とのこと。


KIRIは、愛媛県松山市に本拠を構える地方発のベンチャー企業。インターネットや通信・放送等の電子・電波メディアを利用した情報の収集・処理・提供が主な事業内容で、人材派遣業や有料職業紹介業、地域型旅行業務も幅広く展開している。

社名であるKIRI(キリ)は、日本の伝統的な工具の「錐(きり)」を意味しており、「最初は小さな穴でも多くの力で広げていくこと」をコンセプトに、地域活性化を目指した事業を推進する。同社が提供する 「AIagri.」は、LINE@アプリのメッセージ機能を活用した農業特化型の求人サービスで、2020年8月に登録者数900人を達成したという。


愛媛県農業の人手不足を新たなアプローチで解決


愛媛県の農業現場は、稲刈り(8月~10月)やミカンの収穫(10月~12月)など繁忙期を迎えるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、例年は受け入れが可能であった県外や海外からの人材確保が困難な状況という。

「AIagri.マッチング」は 例年通りの人手が確保できない農業現場を救済するサービスで、閑散期を迎える愛媛県内企業の人材を対象に農業分野で働く機会を提供するものだ。

対象は、年間の中で閑散期が存在する県内企業の従業員や新型コロナウイルスの影響で業務量が減少した交通業や観光業の従業員などで、今後はシーズンオフ中のスポーツ選手らも対象にしたい考えを示している。

「AIagri.マッチング」の責任者である高橋大希氏は、サービスの開始にあたり、
「企業間との関係が続く限り来年以降も農家の方のアルバイト確保に割く時間と労力を減らすことを目標にしたい」
と、述べた。

同社は、新型コロナウイルスの影響を受けた交通・旅行事業者や閑散期にある県内企業と農繁期を迎える農業者をつなぐことで愛媛県農業の発展に寄与していきたい考えだ。


株式会社KIRI
http://kiri-ltd.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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