農林水産省、データ駆動型農業の実現に向けたオープンAPIのガイドラインを策定

農林水産省は、農業用トラクター等の各種システムで取得したデータを営農管理ソフトに連携する仕組みであるオープンAPIの整備に向けたガイドライン「農業分野におけるオープンAPI整備に関するガイドラインver1.0」を策定した。

オープンAPI(Application Programing Interface)とは、データ連携のための仕様を外部に公開して一定の条件の下、他のシステムと連携する仕組みのことを指す。農業分野では、営農管理ソフトを利用して圃場ごとの作業記録を一元的に管理・分析できるようになるなど、農業経営の効率化への活用が期待されている。

出典:農林水産省
スマート農業は農作業の自動化や省力化のみならず、農業データの活用による効率的な農業経営や技術継承の円滑化等にも役立つとされている。一方、農業現場からはトラクターやドローン、各種センサーシステムで取得したデータと営農管理ソフトのデータを一元で管理・分析できるAPIの公開が求められてきた。

これを受け農林水産省では農機メーカー、ICTベンダー、農業者、学識経験者らと共同で、農業分野におけるオープンAPIのルールづくりに関する検討会を実施。「農業分野におけるオープンAPI整備に関するガイドラインver1.0」は、この検討会の内容を参考に策定された事業者向けの対応指針だ。

事業者側のオープンAPIの利活用が今後の課題


ガイドラインには、データ駆動型農業の実現に向けた取り組みとして、オープンAPIの整備と利活用についての基本的考え方や利用制限、個人情報の保護などデータ連携を実施する上での指針が示されている。

出典:農林水産省|農業分野におけるオープンAPI整備に関するガイドラインver1.0のポイント
同省は、農業ICTサービスに関わる多くの事業者にこのガイドラインを利用してもらうことで、「データ駆動型農業を実現するための環境整備が図られることを期待している」と述べている。

ガイドラインは、農林水産省のホームページから閲覧・ダウンロードできる。


農林水産省
https://www.maff.go.jp/index.html
農業分野におけるオープンAPI整備に関するガイドラインver1.0
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo03/attach/pdf/210210-2.pdf
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便