ユーグレナ、ミドリムシ配合肥料の共同研究を実施 モニター試験参加者も募集中

微細藻類に関する研究・開発を手がける株式会社ユーグレナは、微細藻類の一種であるユーグレナ(ミドリムシ)を肥料として活用した場合、農作物の収量が増加し、鮮度低下が抑制される働きがあることを発表した。

ユーグレナは、 ワカメや昆布、 クロレラと同じ藻の一種で、 ビタミン、 ミネラル、 アミノ酸、 不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランス良く含んでいるといわれている。近年は、ユーグレナ特有の成分であるβ-グルカンの一種、パラミロンの機能性を検証する研究もスタート。食品や化粧品などヘルスケア分野での活用が期待されている。

ユーグレナ有機化成肥料の効果を検証


研究では、コマツナとホウレンソウを対象に、ユーグレナを配合した有機化成肥料の効果を検証。
その結果、一般の有機化成肥料と比較して、 1株当たりに占める可食部分の重量が増加していたそうだ。


また、 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」の一環として行われた実験では、7日間冷蔵保存したコマツナの重量減少を測定。
その結果、 水分の蒸発が抑制され、重量の減少率が低下することが判明したとのこと。


同社は、今回の発表に合わせ、ユーグレナ入り有機化成肥料のモニター試験に参加したい農業者を2022年9月30日まで募集している。


ユーグレナ有機化成肥料
容量:15kg
特性:ユーグレナを配合した指定混合肥料
原料:植物油かす類・硫酸アンモニア等
成分:窒素8%・リン酸8%・ 加里8%
性状:粒状
効果:農作物の生育促進・収量増加
対象:農作物全般


株式会社ユーグレナ
https://www.euglena.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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