農機販売のKiliMOL、アフリカ向け農業支援で田植え文化を輸出

KiliMOL(キリモル)株式会社は、日本製の農業機械をアフリカのケニア共和国に輸出するプロジェクトの第二弾として、日本製の田植機と日本の育苗技術を同時に輸出する「田植え文化」のデモンストレーションをケニア共和国で開始している。期間は2021年9月30日まで。

出典:唐沢農機サービス

KiliMOLは、農業機械の販売・修理事業を柱に全国300軒超の農機具販売店が加盟する農機具流通支援サービス「ノウキナビ」を展開する株式会社唐沢農機サービスと大手海運会社である株式会社商船三井が運営する企業。
越境ECサイト「kilimol.net」を活用した農業機械の販売・輸送事業を柱に、アフリカ向けの農業支援を展開する。

このプロジェクトは、KiliMOL、唐沢農機、商船三井の3社が共同で取り組む農業機械の輸出プロジェクトで、当初は中古農機輸出プロジェクトとしてスタートしたが、現地のニーズに応えるため、日本の農機メーカー協力の下、新品農機の輸出も開始している。

育苗技術も同時に輸出


ケニアは東アフリカに位置する共和制の国で、米、トウモロコシ、豆、小麦、バナナ、サツマイモ、ジャガイモ等などを栽培する農業国として知られているが、国内の農家の大部分を小規模農家が占めるため、その作業の多くを手作業に頼らざる負えない状況という。

「田植え文化」は、日本製の大型農業機械を輸出したプロジェクト第一弾の際に寄せられた現地農家の声を参考に企画されたプロジェクト。田植機本体の輸出に加え、機械での田植え作業に必要な育苗技術も同時に輸出している。

2021年9月中旬には、ケニア初となる田植機による田植えを実施。今後は、日本製トラクターの実演や日本製コンバインによる稲の収穫、日本製精米機および石抜機による精米・石抜も行っていく予定とのこと。

アフリカは、2050年までに人口が21億人程度まで増える見込みがあるなど、食料需給の観点からも農業の機械化ニーズが高い地域といわれている。3社は、「田植え文化」の輸出を通じて、アフリカ農業の機械化を支援したい考えだ。


KiliMOL株式会社
https://kilimol.net
株式会社唐沢農機サービス
https://www.karasawanouki.co.jp
株式会社商船三井
https://www.mol.co.jp
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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