イノベックス、地中熱利用システムを活用した農業支援事業をスタート

農業資材等の販売を手がける株式会社イノベックスは、再生可能エネルギーのひとつである地中熱を利用してビニールハウス内の温度を管理する農業支援事業を開始する。


地中熱は、地下10メートルから地下200メートルの深さに存在する低温の熱エネルギー。
「夏場は外気温度よりも温度が低く、冬場は温度よりも地温度が高い」という特性から「安定した温度を一年中保てる」として、冷暖房設備や給湯設備、融雪設備での利用が進められている。

利用方法は、ヒートポンプシステム、空気循環、熱伝導、水循環、ヒートパイプの5種類で、用途に合わせた方法を選ぶことができる。


地中熱システム「ヒートクラスター」を活用


同社が開始した農業支援事業は、井戸を熱源に利用する地中熱システムである「ヒートクラスター」を活用してビニールハウス内の温度を管理するもの。

「ヒートクラスター」とは、従来の地中熱工法の4~5倍相当の熱エネルギーと水資源を同時に抽出する独自の技術で、ボーリング孔の数を通常の5分の1程度に減らすことができるなど、導入コストの削減にも役立つといわれている。


農業分野での活用メリットは以下の通り。

  1. 熱資源と水資源の同時活用。
  2. 夏期のハウス内冷却など通常では困難な栽培環境を実現。
  3. エアコンやボイラーなどビニールハウスの温度管理に使用する化石燃料の削減。
  4. IoTICTを併用した高効率・高収益な農業生産の実現。

同社は、今回の農業支援事業を通じ、地中熱を利用したエネルギー供給を普及したい考えだ。


ウェーブロックホールディングス株式会社
http://www.wavelock-holdings.com/ja/index.html
株式会社イノベックス
http://www.innovex-w.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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