AGRIST、きゅうり自動収穫ロボットを埼玉県のタカミヤ農場に導入開始

農業ロボットの開発などを手がけるAGRIST株式会社は、2023年~2024年の来作の収獲に合わせ、株式会社タカミヤが運営する埼玉県羽生市の農場にきゅうり自動収穫ロボットを導入すると発表した。

収穫作業の人手不足を解消


タカミヤは、仮設機材の開発や製造、販売、レンタルなどの事業を展開する企業。農作物の品質や収量を向上できる新製品ハウス「G-Castle Neo48」や「G-Castle ProⅠ」を使用して、きゅうりやいちご、ミニトマトなどを対象にした実証栽培も行っている。

今回導入するAGRISTのきゅうり自動収穫ロボットは、ピーマンの収穫ロボット開発で培った技術を応用して開発しており、1本100グラム以上のきゅうりをより多く収穫するために安定性の高い自走式モデルで移動する。


ロボットに搭載されたカメラから得られた画像をAIが認識・判断し、収穫動作を行うが、栽培環境や作物を傷つけずに収獲する機能を搭載した吸引タイプの収穫ハンドを採用しているとのこと。

きゅうり自動収獲ロボットの収穫動作

AGRISTの開発エンジニアである増渕 武氏のコメント


「ピーマンの収穫ロボット開発で培った技術を応用し、きゅうりの収穫ロボットを開発しました。収穫ロボットの開発においては環境や作物を傷つけないことが重要です。収穫ハンドの試作・テストを繰り返すことでロボットに適した収穫方法、センサーやその配置などを見極め、きゅうりの位置を正確に把握できた場合にのみ収穫動作をすることによって、栽培環境や作物を傷つけるリスクを低減しています。収穫ロボットの導入で少しでも作業者の負担を減らし、より効率的な農業の実現に貢献したいと思っております」

きゅうりは生長が早く、収穫作業にあてる時間比率が大きいことから、人手不足の解消が急務になっているという。
AGRISTは、きゅうり自動収穫ロボットの導入で作業者の負担を減らし、より効率的な農業の実現に貢献していきたいとしている。


AGRIST株式会社
https://agrist.com
株式会社タカミヤ
https://www.takamiya.co/
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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