日本初の農業系動画配信サービス「AGRIs」がスタート プロ農家の経験や栽培技術を次世代につなぐ

株式会社AGRI SMILEによる、プロ農家の経験や栽培技術を次世代につなぐ日本初の動画配信サービス「AGRIs」が、2019年11月1日(金)よりスタートした。


「AGRIs」でつなぐ高度な栽培技術


AGRIsは、高齢化に伴う農業就業人口の減少など、日に日に失われつつある日本のプロ農家の“技術をつなぐ”インターネット上のプラットフォームだ。

AGRIsは以下の3つの機能を備えているという。
  1. 匠の技動画
  2. 農薬データベース
  3. 質問機能

「匠の技動画」は、全国各地のプロ農家の技術を1分動画で紹介するもので、難易度が高く品質や収量への影響も大きいと言われている剪定や摘花・摘果などもわかりやすく解説されている。

「農業データベース」は、およそ1000以上の農薬の中から対応する農作物や病害虫を検索できるほか、希釈倍率や散布量などの使用方法も知ることができる。

「質問機能」は、動画や検索でわからなかったことや実際に栽培で困っていることを、プロ農家や農学研究者に質問することができる機能だ。

AGRIsは、新規就農者や新しい品目に挑戦する農家のみならず、家庭菜園や市民農園など農業を楽しむあらゆる人が活用できるサービスだという。
農業協同組合や農業大学校、農業関連企業などでは、農業の担い手や職員育成の教材としての活用も期待されている。


「農」をつないでいく



暗黙知や経験則のみで伝承されてきた日本の高度な栽培技術


日本の農業人口は減少の一途を辿っており、統計では2018年時点の就農人口はわずか175万人、そのうちの約70%が65歳以上で平均年齢が66.8歳という結果がみられた。

日本農業は家族経営が一般的とされており、技術や知識は親から子へと継承され、その多くが暗黙知や経験則により伝承されてきた。後継者不足が叫ばれている昨今において、高齢化に伴うプロ農家の引退は、長い時間をかけて培われてきた高度な栽培技術の喪失にもつながる社会的問題のひとつだ。

高度な栽培技術の喪失は、生産性の維持のみならず、高品質な農作物の安定的な供給にも障害をもたらす危険性も指摘されている。

AGRI SMILEが掲げる3つのビジョン

同社は、「農をつないでいく」というミッションを自らに課し、3つのビジョンを掲げている。



AGRIsの提供を通じ、失われつつあるプロ農家の経験や技術を次世代へとつなぐことで、農作物の品質向上や生産者の収益向上にも貢献していく考えだ。

<参考リンク>
株式会社AGRI SMILE
AGRIs
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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