玄米の「におい」が気になる!そんな時のアレンジ法は?【玄米の失敗あるある】

管理栄養士の大槻万須美です。

健康のため、ダイエットのためなどいろいろな目的で人気の玄米ですが、食べやすさの面で苦手意識を持ってしまうこともあるようです。中でも多いのが玄米独特の「におい」についてのお悩み。

今回は、食べようと思ったら玄米のにおいが気になってしまったときの解決法についてご紹介します。


玄米のにおいが気になる理由とは


健康やダイエットのために玄米食をとりいれてみたものの、多少なりとも白米に比べて玄米の「におい」が気になる人はいらっしゃるようです。

お米の鮮度や銘柄にもよりますが、玄米特有の青臭いワイルドな香りそのものや、炊き方によって発酵臭が出てしまったりすることも、玄米のにおいが気になる一因と考えられます。

また、「米ぬか」に含まれている脂質の酸化によるところも大きいとか。白米は精米するときにほとんどのぬか層を削り取るのですが、玄米はもみからもみ殻のみを取り除いたもので、基本的には米ぬかや胚芽を残した状態です。酸化しやすい米ぬかを多く残している点において、玄米のにおいも感じやすくなるのでしょう。

とはいうものの、玄米は胚芽やぬか層が残っているからこそ白米に比べて栄養価が高いのも事実です。

糖質の代謝に欠かせないビタミンB1をより多く含んでいるため、糖質がエネルギーに変換されやすいうえ、食物繊維が豊富で便秘対策や血糖値の急上昇を防ぐという点に加え、鉄分やマグネシウムなどのミネラルも豊富です。

このように、玄米は、不足しがちな栄養素を補えるため、ダイエットや健康増進に気をつけている方には人気が高い主食となっているのです。

玄米のにおいが気になるときのおすすめアレンジ・食べ方



栄養価の高い玄米ですが、せっかく手間暇をかけて炊いてもにおいが気になってしまうこともあります。

炊き上がりに食べてみたらとてもそのままでは食べられそうにない。そんなときにおすすめの食べ方がいくつかありますよ。

パラパラ食感を活かして炒飯やカレーライスに


玄米ごはんは白米に比べて粘りが少なくパラパラとしている食感も特徴です。キムチ炒飯やカレーライスなどスパイシーな風味で玄米のにおいを軽減するとともに、白米では味わえない玄米ならではのパラパラ食感でおいしさがアップします。

ビビンバや混ぜごはん、オムライス、ガパオライスなどワンプレートメニューに


玄米と調理した食材を一緒に盛り付けるワンプレートメニューで、においの気になる玄米も格段に食べやすくなります。

梅干しや漬物、納豆などを取り入れる


ぬかの酸化したにおいは、梅干しや漬物、納豆など発酵食品のうまみによって打ち消されやすいので、玄米のお供としておすすめです。

お好み焼きやおやきなどにアレンジ


ねぎやしょうがなどの薬味を加え、卵をつなぎにしてフライパンでこんがり焼けば玄米のにおいも気にならないアレンジメニューに。ソースやラー油、しょうゆやポン酢などお好みの味付けでいただきましょう。

食べるときの注意点



このように玄米のにおいが気にならなくなるアレンジ方法は多々ありますが、注意しなければならないことがいくつかあります。

塩分量に注意する


日本人の食事摂取基準によると、一日あたりの食塩の摂取目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満とされていますが、梅干しは1個当たり塩分1~2gのものが多く、気にせず3食とも梅干しを数個食べてしまうと塩分の摂りすぎに。

炒飯や混ぜごはんなども同様です。しょうゆや塩の味にたよるのではなく、ゴマ油やにんにく・ねぎなどの風味、キムチなどの発酵食品、こしょうや豆板醤などの香辛料を上手に活用し、塩分を摂りすぎないようにしましょう。

食べ過ぎない


アレンジをして食べやすくなると気をつけたいのが食べ過ぎです。

玄米食だからと安心して食べ過ぎたり、カロリーの高い料理を組み合わせたりしていては本末転倒にもなりかねません。全体のバランスにも気を配りましょう。

体調に注意する


玄米は一般的に白米に比べて消化吸収に時間がかかったり、胃腸の負担になりやすかったりするといわれています。個人差もあるため、玄米を食べた後に胃腸に不快感がないか、下痢や便秘をしていないかなどにも注目しましょう。

胃腸に負担がみられる場合は、量を減らす、しっかりと噛んで時間をかけて食べる、油や香辛料など刺激になる献立を避ける、などの対処が必要です。

まとめて冷凍保存し、保温時間を短めに


炊飯後保温時間が長くなればなるほどごはんの劣化は進み、おいしさも半減していきます。炊き上がった玄米ごはんは1食分ごとに小分けにして冷凍保存しておくことがおすすめです。

栄養価が高く、健康増進やダイエットの助けになる玄米食は、続けていくからこそ効果が出るというもの。おいしくアレンジして無理なく玄米生活を継続していきたいですね。

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文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(pdf)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。


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忙しい方や、家族の中で自分だけ玄米を食べるという方も、いつでも手軽にふっくら玄米をお召し上がりいだだけます。


「スマート米」とは
全国各地のこだわりの農家さんと共にスマート農業を活用し、農薬の使用量を抑えて育てています。
玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」も選ぶことができ、家族みんなにあんしんなお米です。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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