自動飛行可能な農業用ドローン「EA2020」、葉色解析サービス「いろは」と連携

株式会社旭テクノロジーは、米国シリコンバレーに研究開発の拠点を置くEAVISION社が開発した完全自律型の農薬散布用ドローン「EA2020」の取り扱いを開始した。

旭テクノロジーが取り扱う「EA2020」は、株式会社スカイマティクスが提供する葉色解析サービス「いろは」と連携した農薬散布用のドローンである。旭テクノロジーでは、「EA2020」の提供を通じて、「作業時間の短縮化や収穫率の向上、収益率の改善につなげたい」としている。

農薬散布ドローン「EA2020」
旭テクノロジーは、エネルギー供給をサポートするプラント事業を中核に、ドローン事業や再生可能エネルギー事業を展開する企業だ。農業分野では、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの設計・施工・メンテナンスほか農薬散布等を目的としたドローン事業を展開する。

EAVISION社は、自律的なナビゲート機能を有するドローン「EA2020」を開発する中国企業。米国シリコンバレーを開発拠点に、地形の変化等に対応する独自の機能を備えたドローン開発を手がける。

一方、株式会社スカイマティクスは、葉色解析サービス「いろは」を提供する企業だ。最新の画像処理解析技術とAI技術を用いて、ドローンで撮影した農地画像から作物の生育状況などを診断・管理する、葉色解析サービス「いろは」を展開する。

より高精度な位置情報と葉色解析技術を連携した農薬散布用ドローン


GPSを利用したドローンの飛行は、場所や時間帯など受信できるGPS数の限りから、測位精度の正確性に欠けるという指摘がなされてきた。

そこで「EA2020」は、これまでGPSのみで行われてきた機体の位置情報に、基準局「ネットワークRTK(Base Station)」の補正情報を加えた。これにより、高精度な飛行を目指した農薬散布用のドローンを実現したという。

「EA2020」に搭載される自動障害物回避機能は、方向や高さなどの判断を瞬時に行うほか、垂直飛行や水平飛行など異なる地形や段差等に対しても状況に応じた飛行が可能とのこと。

さらに、葉色解析サービス「いろは」と連携させることで、ドローンで撮影した画像から作物の健康状態を色別判断して発育状況などが確認できるようにもなっている。

葉色解析サービス「いろは」を用いて撮影された圃場の色別画像
自立飛行の経路は、スマートフォン等のデバイスから設定でき、また飛行の開始も「デバイスの画面タップのみで行える」としている。同社は「EA2020」に提供を通じて、作業の省力化や精密化を推進するスマート農業を実現したい考えだ。

株式会社旭テクノロジー
https://atcl.co.jp/
EAVISION社
https://www.eavisiontech.com/
株式会社スカイマティクス
https://skymatix.co.jp/
葉色解析サービス「いろは」
https://smx-iroha.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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