農作業管理アプリ「アグリハブ」に、AI病害虫診断エンジンが追加

AIを活用した農業支援システムの開発等を手がける株式会社LAplust(ラプラス)は、農作業管理アプリ 「アグリハブ」 が提供する新たな病害虫診断サービスへの技術提供を発表した。

同社が提供する 「AIを活用した病害虫の診断エンジン」は 、80種類以上の病気や害虫による被害を90%以上の精度で診断する技術。同社はこの技術を通して、農産物の生産量向上、農業者の売上向上に貢献したい考えだ。

 

LAplustはドローンを用いた自律制御の受粉AIや病害虫の画像診断AIの開発等を手がける企業。
一般消費者の生活を最新の技術で支援する 「Life Assist+Technology」 を理念に事業活動を展開する。

 

 「アグリハブ」は、農薬の検索や散布の管理、農業日誌への書き込み、農産物の売上等を一元管理できる農作業専門のアプリだ。現在の利用者数は7000名以上で、数ある農業系アプリの中でもトップのシェアを誇る。

同アプリは、ITベンチャー企業でエンジニアとして働いていた現役の農家が開発したスマホアプリ。農業や地域社会が抱える課題を革新的な商品やサービスを用いて解決する支援プログラム 「JAアクセラレーター第2期」 の優秀賞も受賞している。

スマートフォンで撮影した画像から対象となる病害虫を判定


同社が提供した技術は、スマートフォンで撮影した農作物の被害状況の画像から対象となる病害虫を判定するもの。
技術の概要は以下の3つという。

  1. 80種類以上の病気・害虫による被害を90%以上の精度で診断
  2. 自社製の深層学習エンジンを利用した病害虫診断APIを提供
  3. 独自に取得した十数万枚の病害虫画像から深層学習モデルを生成

判定された病害虫は、 「アグリハブ」 内の農薬検索機能を使用して対策できる。

病害虫の特定は、対策への正確性を期すために普及指導員による目視鑑定によって行われている。しかし同社の病害虫診断エンジンを使用すれば、農業者自身が対象となる病害虫を特定できるため、迅速かつ適切な処置を行うことが可能になるという。

同社は、病害虫診断エンジンのアップデートを継続することで 「今後も精度の高いサービスを提供していきたい」 としている。


株式会社LAplust(ラプラス)
https://laplust.com/
農作業管理アプリ「アグリハブ」
https://www.agrihub-solution.com
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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