NTT東日本とJA全農、リアルタイム遠隔栽培指導の実証実験を2021年秋より開始

NTT東日本とJA全農は、東京都調布市にあるNTT中央研修センターに開設した「遠隔栽培指導センタ(通称:コックピット)」を拠点に、施設園芸に必要な栽培技術の指導を遠隔から実施する実証実験を開始する。

スマートデバイスを活用し生産現場とリアルタイムで情報共有


JA全農は、施設園芸野菜の収量向上および経営改善を目的に、2016年から電子メールやSNSを活用しながら現地訪問による栽培指導を行ってきたが、栽培技術者の不足やコロナ禍の影響で、作物の状態や圃場の状況をリアルタイムに確認できないなど、昨今の社会情勢の変化に対応する新たな方法を摸索していた。

一方、NTT東日本も、担い手不足への対応や新規就農者支援、データを活用した儲かる農業の実現など、一次産業の課題解決を目指す取り組みを進める中、栽培技術者の活躍の場を広げる施策として、ICT技術や自社アセットを活用した遠隔栽培指導の取り組みの検討を進めていた。

実証実験では、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを活用して、施設園芸生産者と圃場の映像や音声、環境・生育調査データをリアルタイムで共有。実訪問と近い精度の遠隔栽培指導を目指す。

コックピットのイメージ (出典|https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20210611_02.html
実証開始は2021年秋頃で、農業ICT分野で高い専門性を持つ株式会社NTTアグリテクノロジーと連携しながら進めていく。また、全農グリーンリソース株式会社の施設園芸栽培コンサルサービスとして実用化を検討していくという。


NTT東日本
https://www.ntt-east.co.jp/
JA全農
https://www.zennoh.or.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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