NTT西日本ら3社、農産物の品質や収量を安定化する実証実験を岡山県でスタート

NTT西日本グループは、国立大学法人愛媛大学、青空株式会社と共同で、農作物の生育状況を見える化して収量や品質をコントロールする実証実験を岡山県真庭市で開始した。実証期間は2022年3月まで。

同社はこの実証実験を通じて、農業生産の安定化による農作物の廃棄ロス軽減を図ると同時に、生産性の向上と収益の改善が課題になっている地域農業を振興したい考えだ。

大規模化が進む日本農業の新たな課題


高齢化や後継者不足等を原因に大規模化が進む日本農業は、「圃場ごとに栽培条件が異なるため、品質や生産量にばらつきが生じてしまい安定的な生産ができない」、「品質や生産量のばらつきをカバーするためには、余剰生産を恒常的に行う必要があるため、結果として大量の廃棄ロスが生じる」など、新たな課題に直面している。

これらの問題を解決するためには、定期的に圃場全体の生育状況を分析して、生産の安定化と廃棄ロスの抑止を図る必要があるが、高額な装置を使用する既存の分析手法では農業者の負担が大きいため、安価な分析手法の確立が求められてきた。

生産の安定化と廃棄ロス抑止を低コストで実現するシステムを構築


実証実験では、廉価な汎用ドローンで青空株式会社のレタス圃場を撮影した空撮画像と、愛媛大学が研究開発した低コストで導入可能な圃場分析技術を活用して、レタスの生育状況を可視化。必要箇所に必要な量だけの施肥を実施し、レタスの生育や品質のばらつきを抑制する。


その後、生育状況や天候データ、経験的知見から収穫可能時期と収量を予想。要求量に対する余剰量を早期に予測することで、廃棄分を収入源に転換していく仕組みづくりを進める。

実証実験における3者の役割は以下の通り。

NTT西日本グループ
  • クラウド基盤(分析環境)の提供
  • 収量予測モデルの作成
  • ドローン自動化撮影、ビジネス性評価(NTTビジネスソリューションズ株式会社)

愛媛大学
  • 葉緑素推定アルゴリズムの提供
  • 圃場葉緑素分布マップの作成

青空株式会社
  • 圃場葉緑素分布に基づく可変施肥
  • 農作物品質および収量評価
  • 収量予測ノウハウの提供

NTT西日本グループは、今回の実証実験で得た知見を生かして、農業生産DXソリューションの事業化および農業生産の高効率化に貢献したいとしている。


NTT西日本グループ
https://www.ntt-west.co.jp/
国立大学法人愛媛大学
http://ccr.ehime-u.ac.jp/rccs/
青空株式会社
http://www.okayama-bluesky.com/
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WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。