NTT e-DroneとAuterionがパートナーシップ締結 国産フライトコントローラーを開発

スイスのAuterionと株式会社NTT e-Drone Technologyは、社会課題の解決に資する次世代ドローンの実現に向けた包括的なパートナーシップを結んだと発表した。



スイスのAuterionは、企業や政府機関といったエンタープライズ向けに、ニーズに応じた機体・ペイロード・アプリケーションとの連携を容易に実現するドローン向けオープンソフトウェア・プラットフォームを提供する企業。測量・点検・物流・監視・偵察等におけるドローンの運用事業者に対して、そのワークフローの改善を支援する幅広い選択肢と柔軟性と品質確保を可能としている。

NTT e-Drone Technologyは、NTT東日本、株式会社オプティム、株式会社WorldLink&Companyの3社が共同出資して設立したドローンメーカー。「社会課題の解決に資するドローンの社会実装の実現」をミッションに掲げ2021年2月に事業開始し、農業分野向けの機体の開発・製造を軸に、災害対策・点検・測量・公共向けの機体やサービスを順次提供していくという。

国産フライトコントローラーなどを開発・展開


両社の具体的な取り組みは以下のとおり。それぞれの強みを生かし、国内はもちろん、海外でも協業を進めていく。

1.フライトコントローラーとミッションコンピューターを日本国内で開発・製造
NTT e-Droneが、Auterionが開発・提供するドローン制御装置である「Skynode」をベースとした独自のフライトコントローラーとミッションコンピューターを日本国内で開発・生産。そのうえで、NTT e-Droneが今後開発していくLTE/5G/ローカル5G対応・遠隔操作・自律航行等の機能を有する次世代ドローンへ最適な形で搭載するとともに、供給を希望する他のドローンメーカーにも展開していく。

2.ドローン運用プラットフォームを日本国内で運用
NTT e-Droneが、Auterionが開発・提供するドローン運用管理システム「Suite」を日本国内のサーバーで運用。日本市場向けの機能を追加することで、農業・インフラ管理・測量・災害対策等の分野におけるドローンの社会実装を推進する。

3.5G対応・遠隔操作・自律航行機能等の先進的なドローンの開発連携
両社は、次世代ドローンに求められる機能の高度化にむけて、お互いの開発リソース及び市場ニーズを持ち寄り、ドローンの社会実装に必要な開発を推進する。

4.双方の機体のクロスセル
NTT e-Droneは、Auterionの技術を搭載したQuantum Systems社製VectorやVantage Robotics社製Vesperを日本国内向けに展開。将来的には、NTT e-Droneが今後開発する次世代ドローンをAuterionも展開していく。


関係企業からのコメント


日本電信電話株式会社(NTT持株会社)執行役員 技術企画部門長 岡敦子氏は、「NTT技術企画部門は、NTT研究所や提携企業からの新技術の事業導入の推進に加え、災害対策・セキュリティ対策・設備の効率的調達などに関する施策立案、実行を行っています。その中で、安全・安心に利用可能なドローンの開発・導入は、特に重要な課題です。今回のAuterionとNTT e-Droneとの戦略的連携が、これらの課題解決を加速するものと期待し、サポートしたいと考えています」とコメント。

また、NTT e-Drone Technology代表取締役社長 田辺博氏は、「Auterionとのパートナーシップは、当社が掲げるミッションである『社会課題の解決に資するドローンの社会実装を実現』するために必要不可欠なものです。加えて、日本以外のマーケットにアクセスする可能性ももたらすものと期待しています。NTT e-Droneは、ドローンの安全性と信頼性を最重視した次世代ドローンの実現にむけて、Auterionとの包括的なパートナーシップのもとお客様の要望に応えていきます」と答えている。

さらに、Auterion 共同創設者兼CEO Lorenz Meierは、「NTT e-Droneとのパートナーシップにより、日本の様々な企業、特にナショナルセキュリティに意識の高い組織・企業等の皆様が、世界で最も先進的なAuterionのドローン向けオープンソース・プラットフォームが提供するエコシステムに容易にアクセスできるようになります。加えて、このエコシステムにNTTグループが推進する5G・AI・クラウドといったICTサービスが結合することで、これまでにない新たな価値を提供できるようになると考えています」とコメント。

そして、
「農業分野においては、NTTのネットワークを利用した次世代ドローンにより、日本の農業や気候の専門家は、遠隔地であってもリアルタイムにデータを調べ、分析や助言を農家に提供することができるようになります。時間のかかる長距離移動を必要とせずに、農村部の農家に最善の措置を伝え、当面の問題を解決できる専門家がいれば、農家の収穫量の増加につながる可能性が高まります。そうすれば、日本の食料自給率の数値を改善することに貢献できる可能性も生まれます。

インフラ管理分野においてもAuterionとNTT e-Droneの包括的な業務提携により、道路や橋の状況をリアルタイムで把握することができるようになります。拡張性の高い次世代ドローンによるインフラ管理の自動化は、老朽化するインフラと少子高齢化が進む日本のインフラ分野において大きな一歩になると考えています。現場に1万人のインフラ点検の専門家を配置することはできませんが、1万台のドローンが強力な分析ソフトウェアを使って、遠隔地にいる専門家にリアルタイムでデータを配信することは可能です。

最終的には、日本のSociety 5.0で示されたビジョンの実現につながる、デジタルツインコンピューティングにも貢献できると考えています」
とも語っている。

なお、NTT e-Droneが製造・販売している農業用ドローン「AC101」の利用者や代理店などに対しては、「本取組のメリットを優先的に享受できるようなスキームやサポートを検討していくので、安心してほしい」というコメントも発表している。


Auterion
https://www.auterion.com
NTT e-Drone Technology
https://www.nttedt.co.jp/

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WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。