有機認証キノコ向け営農型ソーラーハウス、日中企業が共同開発

有機JAS菌床キノコメーカーの株式会社ハルカインターナショナルは、中国浙江省の磁性材料メーカー横店集団東磁股有限公司(DMEGCグループ)の日本支社であるDMEGCジャパン株式会社との共同事業を開始した。


ハルカインターナショナルは、シイタケ、キクラゲなど8種類のキノコの有機JAS認証を取得するキノコメーカー。大手企業が保有する事業地・遊休地を活用したソーラーシェアリング事業(営農型太陽光発電)を通じて脱炭素社会に向けた取り組みを行っている。

横店集団東磁股(DMEGCグループ)は、中国浙江省の東陽市にある電子部品メーカー横店集団ホールディングスの中核企業。2006年の国内上場以降、浙江省や河南省を拠点に太陽光発電に必要なソーラーパネルを一貫生産している。

有機営農型ソーラーハウスのモデル施設建設へ


両社の共同事業は、有機認証キノコが栽培できる営農型ソーラーハウスの開発・販売を目的としたもので、ソーラーハウスの新設ほか工場や倉庫など大型遊休施設を活用した脱炭素型栽培モデルの構築が予定されている。

2021年内には営農型ソーラーハウスのモデル施設の着工を開始し、有機キノコ菌床の培養・栽培の試行作業を実施。独自の開放型栽培技術を生かした生産ラインを構築していくと同時に、菌床配置棚を施設構造と一体化させるなど、ソーラーパネルの重量に耐えられる設計基準を設定して施工経費の低廉化を図る。

2022年には、ハルカインターナショナルが実施するソーラーシェアリング事業への参入を希望する大手企業の事業地を対象に営農型ソーラーハウスを建設して脱炭素化に向けた取り組みを加速したい考えだ。


株式会社ハルカインターナショナル
https://www.haruka-int.jp/
DMEGCジャパン株式会社
https://www.dmegc.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
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