国際農研、高温多湿地域向け植物工場システムの活動報告会を沖縄で開催

国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(国際農研)は、アジアモンスーンモデル植物工場システム(PFS)の社会実装に向けた活動成果報告会を2021年12月9日に沖縄県石垣市にある熱帯・島嶼研究拠点で開催した。

沖縄県石垣市にあるアジアモンスーンモデル植物工場
出典:https://www.jircas.go.jp/ja/release/2021/press202121

アジアモンスーンモデル植物工場システム(PFS)は、ハウス内外に設置した環境モニタリングセンサーを利用して、換気扇、遮熱カーテン、細霧冷房、ヒートポンプ、CO2発生装置等の環境制御装置を管理する太陽光発電型植物工場システムで、東南アジアなど高温多湿な地域でも高品質な野菜を安定的に生産できるのが特長である。

トマトやイチゴの栽培状況を紹介


今回の報告会では、植物工場システムの導入に関心のあるインド大使館、インドネシア大使館、アラブ首長国連邦大使館の関係者が参加し植物工場の環境制御システムをはじめトマトやイチゴの栽培状況を見学。また、「イノベーション創出強化研究推進事業」で開始された研究課題である「アジアモンスーン地域でのイチゴ栽培技術の確立」の概要を紹介した。

アジアモンスーンPFSコンソーシアム概念図
出典:https://www.jircas.go.jp/ja/release/2021/press202121

トマトやイチゴの栽培状況を紹介する様子
出典:https://www.jircas.go.jp/ja/release/2021/press202121

アジアモンスーンICHIGOコンソーシアムの概念図
出典:https://www.jircas.go.jp/ja/release/2021/press202121

国際農林水産業研究センター(国際農研)は、三菱ケミカル株式会社、パナソニック株式会社、株式会社ソーラーフィールズ、シチズン電子株式会社、農研機構らと形成したアジアモンスーンPFS社会実装ワーキンググループでの活動を通じ、日本および東南アジア周辺諸国の農業生産を支援したい考えだ。


国立研究開発法人国際農林水産業研究センター
https://www.jircas.go.jp/ja
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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