農研機構ら、超音波により農薬に耐性を持つ害虫の防除に成功
農研機構は、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社と行った共同研究で、超音波による振動を照射してタバココナジラミとワタアブラムシを防除することに成功した。
タバココナジラミとワタアブラムシは、植物の栄養を直接吸汁して、病原菌が好む栄養素を排泄するなど、農作物に深刻な被害を与える農業害虫として知られている。
しかし、現在販売されている既存の化学農薬に強い抵抗性を示すなど、有効な防除の方法は見つかっておらず、高品質な農作物を生産していく上での重要な課題になっていた。
両者が開発した技術は、世界中の多くの昆虫が持つ「振動を感知して飛び立つ習性」を利用したもの。
研究では、農作物の葉の上に乗せたタバココナジラミとワタアブラムシを対象に、人工授粉用の超音波集束装置を使用して、超音波による振動への反応を観察。
その結果、タバココナジラミ成虫の約60%、ワタアブラムシの有翅成虫の25%、無翅成虫の14%が葉の上から離脱したほか、「超音波による振動を1日4時間与えるとタバココナジラミの産卵数が約54%減少する」ことが判明したという。
参考動画:集束超音波で葉裏にいるタバココナジラミを離脱させる様子
今後は、タバココナジラミやワタアブラムシ以外の害虫に対しても同様の効果が見込めるかの検証を行う予定で、将来的には離脱した害虫を粘着板や吸引機等で回収する装置の開発も検討していくとのこと。
両者はこの研究を通じ、既存の化学農薬に強い抵抗性を持つ農業害虫に有効な新たな防除方法を確立したい考えだ。
農研機構
https://www.naro.go.jp/
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
https://pixiedusttech.com/
タバココナジラミとワタアブラムシは、植物の栄養を直接吸汁して、病原菌が好む栄養素を排泄するなど、農作物に深刻な被害を与える農業害虫として知られている。
しかし、現在販売されている既存の化学農薬に強い抵抗性を示すなど、有効な防除の方法は見つかっておらず、高品質な農作物を生産していく上での重要な課題になっていた。
ワタアブラムシの無翅成虫と幼虫
出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/153210.html
出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/153210.html
振動を感知して飛び立つ習性を利用
両者が開発した技術は、世界中の多くの昆虫が持つ「振動を感知して飛び立つ習性」を利用したもの。
研究では、農作物の葉の上に乗せたタバココナジラミとワタアブラムシを対象に、人工授粉用の超音波集束装置を使用して、超音波による振動への反応を観察。
その結果、タバココナジラミ成虫の約60%、ワタアブラムシの有翅成虫の25%、無翅成虫の14%が葉の上から離脱したほか、「超音波による振動を1日4時間与えるとタバココナジラミの産卵数が約54%減少する」ことが判明したという。
参考動画:集束超音波で葉裏にいるタバココナジラミを離脱させる様子
今後は、タバココナジラミやワタアブラムシ以外の害虫に対しても同様の効果が見込めるかの検証を行う予定で、将来的には離脱した害虫を粘着板や吸引機等で回収する装置の開発も検討していくとのこと。
両者はこの研究を通じ、既存の化学農薬に強い抵抗性を持つ農業害虫に有効な新たな防除方法を確立したい考えだ。
農研機構
https://www.naro.go.jp/
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
https://pixiedusttech.com/
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