農水省、大雨被害の早期復旧に向け「大規模災害時の災害査定の効率化」を適用

農林水産省は、2022年(令和4年)8月3日からの大雨で過去5年の平均被災箇所数を超える被害(本激除く)を受けた地域の農林水産業施設および公共土木施設を対象に、「大規模災害時の災害査定の効率化」を適用すると発表した。



机上査定上限額の引き上げ等を実施


「大規模災害時の災害査定の効率化」は、自然災害の被害を受けた地方自治体等を対象に、机上査定上限額の引き上げや採択保留額の引き上げなど、災害査定の事務手続きを効率化する内容のルールを適用して、被災地や施設の早期復旧を促す支援策である。

今回の対象地域と効率化の内容は以下の通り。

対象地域
1)農地
北海道、青森県、岩手県、秋田県、福島県、新潟県、福井県、滋賀県
2)農業用施設
北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、神奈川県、静岡県、新潟県、石川県、福井県、滋賀県
3)林道
青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県
4)海岸
北海道
5)林地荒廃防止施設
石川県
※必要に応じて対象地域を拡大。

効率化の内容
1)机上査定上限額の引上げ・500万円(公共土木施設は1,000万円)未満→査定見込み件数の概ね7割(農地・農業用施設は9割)までの額。
2)採択保留額の引上げ・2億円以上(公共土木施設は4億円)→2億円を超え採択保留された件数の概ね6割までの額。
3)査定設計書に添付する図面等を簡素化・設計図書の作成において航空写真や代表断面図等を活用。

農林水産省は、今回の「大規模災害時の災害査定の効率化」の適用を通じ、災害査定に要する期間を大幅に短縮することで、農業生産者の営農再開に向けた動きを支援していきたい考えだ。


農林水産省
https://www.maff.go.jp/index.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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