Kukulcanとタカミヤ、 AI活用し畑から出るロス野菜を削減する取り組み開始

株式会社Kukulcanと株式会社タカミヤは、AIを活用して、畑から出るロス野菜、通称「畑の食品ロス」を削減する取り組みを開始した。

右:kukulcan 代表取締役社長 ホン リナ 左:タカミヤ アグリ事業部 愛菜農場長 吉田 剛

AIによる予測で規格外野菜を有効活用


株式会社Kukulcanは、農業支援AIの開発および農作物調達プラットフォームの構築を手がける企業。地域活動にも積極的に取り組み、規格外農作物についての理解を深めるための啓蒙活動なども行っている。

株式会社タカミヤは、足場をはじめとする仮設機材で建設業界を支える企業。総合農業パーク「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」を運営し、栽培の過程でどうしても出てしまう規格外野菜の活用方法を模索していた。

そこでKukulcanは、規格外野菜を需要先とマッチングさせることを提案。この仕組みにより、これまで捨てられていた野菜がすべて有効活用できるようになったという。

具体的には、TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARKで収穫された、通常販売できないミニトマトをレストランなどに提供している。


また、今回の取り組みではKukulcanが開発したシステムを活用する。農園で入力される情報を基に、AIが農作物の収穫量と収穫予定日を予測するほか、食品事業者に対して、想定よりも多く収穫される可能性のある作物や規格外野菜の情報を収穫前に提供することが可能だ。

この予測とマッチングの機能により、畑の食品ロスを限りなくゼロに近づけることができるという。

店舗のコメント 



ensia.
今回のトマトは小粒でありながら煮崩れしづらく、酸味と甘みのバランスも絶妙で、フレンチのシェフとしては大変使いやすいものでした。当店は「ご縁としあわせのレストラン」です。Kukulcanを通して、普段は出会えない素晴らしいご縁となりました。

Cafe bar Miyami
お客さんを飽きさせない工夫をする中で、今回の規格外トマトやいちごのご提案はとても助かりました。今回の2色のトマトは甘さがしっかりあり、蜂蜜とブレンドしてかき氷に飾りました。もはや「野菜ではなくフルーツ」といった味わいで、SNSでも反響がありました。今後も美味しくてストーリーのある食材を楽しみにしております。

(蔵前街歩きリュックMessage)

蔵前街歩きリュックMessage
3月の「いちご祭」でKukulcanの取り組みを知り、今回配送拠点として協力することになりました。地域でも関心の高い「食品ロス」の課題に関わることができ、とてもよかったです。これからも新しいアイデアを一緒に考えたり、いろいろな形で連携できればと思います。

関係者コメント


株式会社タカミヤ アグリ事業部 愛菜農場長 吉田剛氏 コメント
私たち生産者が思いを込めて作った野菜が大きさや形で規格外になったからといって価値が無いようになってしまうのはたいへんつらく悲しいことです。個人個人の農家や生産者が規格外野菜の活用のためにレストランやカフェなどと繋がっていく事はとてもハードルが高く、農家とユーザーを取り持ってくださるKukulcan社との取組はたいへんありがたいと感じています。 タカミヤのハウス事業で構築したお客様とのつながりにもこの輪を広げていき、「畑の食品ロス」ゼロを実現していきたいと考えます。

株式会社kukulcan 代表取締役社長 ホンリナのコメント
日本では多くの農作物がさまざまな理由で廃棄されています。その多くがまだ食べられる状態にあること、環境への負荷、経済的な損失をもたらしていることは深刻な問題だと言えるでしょう。何よりも食糧不足に苦しむ人々への支援の機会を損失していることは、今の時代を生きるすべての人の責任だと私たちは考えます。

この度の協業では、まず「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」のロスを「ゼロ」にすることを目標とし、達成致しました。吉田農場長をはじめ、この取り組みを応援してくださった皆様へ感謝申し上げます。 私たちは今後、AI技術により食品ロスを削減、持続可能な世界を推進します。同じ志でタカミヤ社と共に取り組んで行けることを大変うれしく感じます。この新しい価値を「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」から世界へ広げていくために、今後も全力で取り組みます。

Kukulcanとタカミヤは、規格外野菜の新たな活用方法を見出すことで、食品ロスの削減と同時に、付加価値の創造にも取り組むとしている。


株式会社Kukulcan
https://kukulcan.biz/
株式会社タカミヤ
https://corp.takamiya.co/ 
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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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