グリラス、コオロギの排泄物を活用した有機肥料実証を実証実験

食用コオロギの生産等を手がける株式会社グリラスは、徳島県西部の世界農業遺産認定地域内で農業を営む田口農園徳島と共同で実施している「コオロギフラス」を活用した実証実験の中間報告を発表した。

(左)田口農園徳島(右)コオロギフラス

「コオロギフラス」は、食品ロス100%由来の餌を食べている食用コオロギの排泄物を原料にした有機肥料
植物の開花や結実を促すリン酸を多く含むのが特長で、牛糞と鶏糞の中間程度の肥料効果を見込めることがわかっている。


※牛糞・鶏糞データの参考値:「家畜ふん堆肥適正施用の手引き(2014)」(岡山県農林水産部)
※コオロギフラスの分析値:株式会社環境研究センター(2022)

キャベツ・かぼちゃ・ほうれんそうを対象にした生育試験を実施


今回の実証実験では、キャベツ・かぼちゃ・ほうれんそうの3つの品目を対象にした生育試験を実施。
その結果、既存の有機肥料を使用した場合と同程度の生育が確認できたとのこと。

田口農園徳島

今後は、「コオロギフラス」の実用化を通じた循環型食料システムの構築を目標に、実地データの収集を強化していく方針を固めている。

「コオロギフラス」を通じた循環型食料システム


株式会社グリラス
https://gryllus.jp/
田口農園徳島
https://taguchinouen-tokushima.com/
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WRITER LIST

  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  4. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  5. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。