バイオマスレジンとヤマタネ、コメ由来のバイオマスプラスチック活用に向け連携

株式会社バイオマスレジンホールディングスと株式会社ヤマタネは、コメ由来のバイオマスプラスチックである「ライスレジン®」を使用した製品の開発等を通じて、環境負荷の低減に取り組む業務提携契約を締結した。

バイオマスプラスチックの用途拡大によってコメの新たな需要を生み出し、持続可能な農業生産体制を構築することで豊かな社会づくりに貢献する。


耕作放棄地の問題を解消


バイオマスレジンホールディングスは、食用に適さない古米や米菓メーカーなどで発生した破砕米を原料にしたコメ由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」を製造する企業。また、京都大学と共同でコメ由来の生分解性樹脂である「ネオリザ」を開発。全国の休耕田や耕作放棄地を活用したバイオマスプラスチック用のコメ作りも進めている。

ヤマタネは、大正13年に創業したコメ卸大手の老舗企業。全国の優良産地やJA等と連携し、持続可能な農業の実現に向けた活動を推進している。

両社の取り組みの一環として、コメ由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」製の国内初となる輸送用パレットをヤマタネ印西精米センター(千葉県印西市)で導入することが決定。

これを皮切りに連携を深め、さまざまなシーンにおけるバイオリファイナリーの推進を図るとともに、農業生産振興と循環型社会実現との両立を目指していくという。

「ライスレジン」製の輸送用パレットのイメージ(メーカー:三甲株式会社)

今後の展開としては、ヤマタネが保有する産地ネットワークを活用して「ライスレジン」の原料となる資源米の生産を拡大。資源米をコメ生産の新たな出口とし、安定的・持続的な生産に取り組むことで、耕作放棄地問題の解消を目指す。

また、今回導入する国内初の「ライスレジン」製の輸送パレットをはじめ、包装米袋や食品什器、その他さまざまな商品の開発に共同で取り組み、国内外でのさらなる利用を拡充する。さらに、地域や農作物の生産・流通の過程で発生する未利用バイオマスについても、産地や第三者を交えた協議を進め商品への活用を目指す。

株式会社ヤマタネ 代表取締役社長 山﨑元裕氏のコメント


「コメ生産者の平均年齢が70歳を超える一方で、主食としてのコメ需要は減少を続けています。これらを背景として生産者の離農が進み、加速的に水田の荒廃が進んでいます。国が掲げる『食料自給力』の基幹となる『稲作』に伏在する価値が一段と高まっています。バイオマスレジンホールディングス様は、コメが持つ資源としての一面をとらえ、その可能性に挑戦し続けてこられました。今回の業務提携により、稲作が持つ力を多面的にとらえることで、農地の荒廃に歯止めをかけ、持続的な農業の実現と環境に優しい社会づくりに貢献してまいります」

株式会社バイオマスレジンホールディングス 代表取締役CEO 神谷雄仁氏のコメント


「当社は弥生時代から続く稲作を次世代に残すべき素晴らしい文化と考えております。そのお米を資源としてとらえ、日本発のコメ由来の国産バイオマスプラスチックの普及を通じて、環境や農業課題への認識を深めるとともに、もっと日本のお米や農業の素晴らしさを世界に向けて発信していきたいと考えています。2024年に創業100年を迎えるヤマタネグループ様と協力し、さらなる地域コミュニティの発展と農業の活性化に取り組んでまいります」


株式会社バイオマスレジンホールディングス
https://www.biomass-resin.com/
株式会社ヤマタネ
https://www.yamatane.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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