「レイミーのAI病害虫雑草診断」と営農管理システム「Z-GIS」が連携、新機能のベータ版をリリース

JA全農は、日本農薬株式会社のスマートフォン用アプリ「レイミーのAI病害虫雑草診断」と、営農管理システム「Z-GIS」を連携させた新機能のベータ版を2024年4月3日(水)にリリースした。

「レイミーのAI病害虫雑草診断」の診断結果を「Z-GIS」上で確認でき、視覚的に雑草および病害虫の発生状況が把握できるようになった。

複数のユーザーの病害虫雑草の診断結果を1つの画面で確認可能

病害虫や雑草の発生動向を正確に把握可能に


日本の農業は生産者の減少・高齢化が加速化し、深刻な労働力不足が進む一方で、担い手への農地集積により1経営体あたりの経営規模が拡大している。その生産基盤を維持する打開策として、スマート農業市場の拡大・発展が生産現場に不可欠であると考えられている。

このような背景の中、全農はさまざまなスマート農業技術のなかでも比較的安価で、小規模な農家のデジタル化・スマート化にも貢献できるツールとして「Z-GIS」の普及に取り組んでいるという。

「Z-GIS」とは、全農が提供する営農管理システムで、高精細な地図上にマウス操作で簡単に圃場ポリゴン(区画情報)が作成でき、そこにユーザーが登録したい情報をエクセル形式で入力し紐づけることで、圃場の位置と営農情報を効率的かつ自由度高く管理できるというもの。

今回システム連携をした「レイミーのAI病害虫雑草診断」は、日本農薬と株式会社NTTデータCCSが共同開発したスマートフォンアプリ。作物や田畑に発生する病害虫や雑草を写真から診断し、表示された診断結果から利用者が選択した防除対象に有効な薬剤の情報を提供する。


作物の栽培においては、病害虫や雑草の的確な防除が重要となり、被害や発生状況を正確に把握できるツールが求められている。

今回のシステム連携によって、「レイミーのAI病害虫雑草診断」ユーザーの診断結果を「Z-GIS」で一覧で確認でき、視覚的に雑草および病害虫の発生状況が把握できるようになった。

JA全農は、「Z-GIS」のベータ版機能として限定配信を行いテスト運用した後に、有償サービスとして展開する予定だ。なお、テスト運用の協力者の募集も行っている。


JA全農
https://www.zennoh.or.jp
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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