ごちそうが増える季節、食べすぎは「玄米」ごはんでリセットしよう【栄養士コラム】

栄養士の堀口泰子です。

会食の機会が増える季節は、つい食べすぎてしまうことも多いのではないでしょうか。

食べすぎを無かったことにはできませんが、できるかぎり調整はしておきたいものです。そこで食べすぎた時におすすめする“リセットごはん”と、その食べかたについてご紹介します。

ごちそう料理はやはりカロリーオーバー



和食は比較的ヘルシーだと思われていますが、会席料理では900Kcalを超えるメニューが多くあります。

年齢や活動量などによって個人差はありますが、1日の推定エネルギー必要量は成人男性でおよそ2600kcal、成人女性でおよそ2000kcal。会席料理1食分で成人女性の1日の1/2近くのエネルギー量となります。

たんぱく質や脂質はおよそ1日分の必要量を1食分で摂取することになるのです。


次に洋食を考えてみましょう。魚料理、肉料理の両方を食すフルコースメニューでは1600kcal以上、場合によっては1800kcalを超えるメニューも多くあります。1食でおよそ1日分のエネルギー量をとっていることになります。たんぱく質はおよそ1日分以上、脂質は1.5日分以上となります。

和食、洋食どちらにしても、ごちそう料理はエネルギー、脂質、たんぱく質が大幅に過剰となることがわかります。

リセットごはんは不足を補うことから


食べすぎの調整のために欠食する、お米を極端に減らすことはあまりおすすめできません。空腹時と食後の血糖値の差が大きくなり、次にとった食後血糖値の急上昇が起こりやすくなります。

血糖値の差が大きくなると食べすぎを助長する原因となるだけでなく、血糖値の急上昇は血糖値スパイクといって、糖尿病や、血管を傷つけるため動脈硬化などさまざまな病気の要因となると考えられています。

ではどのように食べすぎを調整したらよいのでしょうか。注目したいのは、不足している栄養素です。

ごちそう料理は食物繊維が不足します。食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、糖や脂質の吸収を緩やかにすることで血糖値上昇の抑制や、血中コレステロール濃度の低下を助けることが期待できます。

そこで、リセットごはんでは主食の中でも「玄米」がおすすめです。玄米は食物繊維が多くて脂質が少なく、さらに、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)といって、食物繊維と同じ役割をするでんぷんも含まれています。

では、食物繊維の不足を補うためにノンカロリー食品や野菜だけを食べるのはどうでしょうか。サラダにすればドレッシングなどの調味料が必要なるので、脂質や塩分の摂取を増やすことになります。また、空腹時間が長いので、血糖値スパイクが起こりやすくなります。

玄米は適度なエネルギー補給と、食物繊維を補うことができるうえ、よく噛んでゆっくり食べることができるので、食べすぎた時にこそ積極的に食べたいですね。

玄米を上手に活用した“リセットごはん”の食べかた


それでは実際に、玄米を“リセットごはん”として、どのように食べたらよいのでしょうか。

おすすめの献立は?


献立としておすすめな組み合わせは玄米ごはんと具だくさんのみそ汁です。


不足しがちな野菜と食物繊維をしっかり補うことができます。会食当日は十分なたんぱく質量を摂取できるので、納豆などの脂質が少ないおかずを選び、量は控えめにしておくとよいでしょう。玄米ごはんの必要量は年齢や体格、活動量によって異なりますが、量を減らしすぎないことが大切です。

⽞⽶中⼼のリセットごはん例と栄養価の⽬安

リセットごはんを食べるタイミングは?


次に、食べるタイミングについて考えてみましょう。

会食の予定があらかじめわかっている場合は、セカンドミール効果を活用します。セカンドミール効果とは最初にとった食事が次の食事をとった後の食後血糖値にも影響を及ぼすというもの。会食当日の朝食や昼食に玄米中心の献立を食べておくとよいでしょう。

朝食には玄米がおすすめ? いま取り入れたい「セカンドミール効果」とは【栄養士コラム】

食べすぎた後にとる場合も、食物繊維を補い、過剰となった脂質を抑えることにつながります。1日単位、数日単位で食事を整えていきましょう。

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いかがでしたか。玄米を“リセットごはん”として上手に活用して、メリハリのある食生活を意識すれば、ごちそう料理も美味しく楽しむことができそうです。

▼玄米と一緒に食べたい「具だくさん味噌汁」のレシピはこちら
たっぷりきのこと納豆の赤だし味噌汁
生姜たっぷり鶏団子と白菜の味噌汁
冬野菜「春菊」と落とし卵の味噌汁

文部化科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
日本人の食事摂取基準(2020 年版)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


■食べすぎたときだけの置き換えにも! レンジで簡単パックごはん「寝かせ玄米ごはん」

SMART AGRI FOODから発売しているパックごはん「国産スマート米 寝かせ玄米ごはん」は、電子レンジで約2分温めるだけでもっちもち食感のおいしい玄米が食べられるレトルトごはんです。

圧力釜で炊き上げた後、3~4日寝かせる「寝かせ玄米(R)」の製法で仕上げているので、玄米特有の食べにくさがありません。

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「スマート米」とは
全国各地のこだわりの農家さんと共にスマート農業を活用し、農薬の使用量を抑えて育てています。
玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」も選ぶことができ、家族みんなにあんしんなお米です。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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