鮮度が重要! シャキッとおいしい「アスパラガス」の保存方法

茹でるだけでも、調理をしてもおいしい「アスパラガス」。シャキッとした独特な歯ごたえがクセになる、人気の春野菜のひとつです。

そんなアスパラガスには栄養がたっぷり含まれていて、旬の時期は積極的に取り入れていきたい食材です。しかし、鮮度が落ちやすいという難点が……。そこで、少しでも長くアスパラガスを味わうための保存方法を紹介! 旬の味覚を最後までおいしく味わっていきましょう。


アスパラガスの基本の選び方


「アスパラガス」の旬は3~6月。春から初夏にかけてが、おいしくいただけるシーズンとなります。といっても、近年はハウス栽培も盛んで年間を通して手に入りやすい食材のひとつです。

ということで、美味しいアスパラガスの見極めのポイント見ていきましょう。


まず、一番に注目したいのが「穂先が締まっているか」ということ。新鮮なアスパラガスは、穂先がしっかりと締まっていてピンとしています。

そして「茎の太さ」もポイント。なるべく太くて、まっすぐなものを選びましょう。“太いアスパラを選ぶ? ”と疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、アスパラガスは太ければ太いほど柔らかく、食べごたえもありおいしいです!

チェーン店などのスーパーでは、太いアスパラガスを購入するのはなかなか難しいですが、直売所やお取り寄せだとゲットしやすいので、ぜひチェックしてみてください。

そして、最後のチェックポイントは「根元」! 根元までしっかりと鮮やかな緑色のモノは、柔らかい部分が多い可能性が高いです。「根元がシワっぽい」「切り口が茶色になっている」ものは収穫されてから時間が経っている可能性があります。

アスパラガスは疲労回復の栄養素が豊富


アスパラガスには、うれしい栄養がたっぷり含まれています。例えば、疲労回復に効果のあるアミノ酸の一種「アスパラギン酸」。これは栄養ドリンクにも含まれる優秀な成分で、うまみの元です。

また、特に妊婦さんにとって重要な栄養素のひとつである「葉酸」も多く含まれています。DNAや細胞の合成だけでなく、貧血や動脈硬化の予防にも役立ってくれます。

他にも抗酸化作用や美肌効果のある「ビタミンA」や、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果のある「ルチン」もたっぷり!

上で取り上げた栄養素は、たっぷりと日光を浴びることで合成されています。そのため、栽培方法が異なるホワイトアスパラガスには含まれていません。ただし、ホワイトアスパラガスには、免疫力をアップしてくれる「サポニン」が多く含まれている傾向があるので、食感や食事の彩りだけでなく、摂取したい栄養を考えてどちらにするか選んでもいいでしょう。


アスパラガスの保存方法と保存期間


独特な歯ごたえがおいしく、栄養たっぷりな「アスパラガス」。お弁当のちょっとしたスペースを埋めてくれたり物足りないときの一品になってくれたりと、使い勝手のよさから見かけたら買ってしまう方も多いと思います。でも、鮮度の落ちが早いのが難点。

なるべく長く鮮度をキープするには、どのように保存したらよいのでしょうか? アスパラガスの保存に最適な温度は、2.5℃。一般的に冷蔵庫内の温度は約2~6℃とされていますが、家庭用の冷蔵庫は開け閉めが多いので最適温度のキープはなかなか難しいです。また、野菜室は設定温度が少し高めとなっているので、アスパラガスの保存には最適ではないため、少しだけ工夫が必要です。


【アスパラガスの保存方法1】冷蔵


1. よく洗ったら水分を拭き取り、軽く濡らしたペーパータオルや新聞紙で包む
アスパラガスは乾燥しやすく、湿気に弱い食材です。全体の水分はできるだけ拭き取り、乾燥しないようにペーパータオルや新聞紙などで包むようにしましょう。



2. ビニール袋に入れて軽く口を閉じる


3. 冷蔵室で、立てて保存する
実はアスパラガスは、収穫後も成長し続けています。そのため、横に寝かせて保存すると、穂先を起こそうとして養分を使い鮮度が落ちてしまうので、生えている時と同様に立てて保存するのがベストです。

また上記で述べた通り、アスパラガスの保存には冷蔵室の温度が最適。ドアポケットなどを利用するなど、工夫して保存してください。なお、冷蔵室での保存の目安は約1週間。なるべく早く食べ切りましょう。


【アスパラガスの保存方法2】下ごしらえをして冷凍保存


アスパラガスは生のまま冷凍保存が可能です。しかし、冷凍すると独特の食感は失われてしまうので、調理用として利用するための下ごしらえをしておくと便利です。

1. アスパラガスの切り口を切り、硬い部分の皮を剥く
乾燥している切り口の部分を2~3mm切り落としましょう。根元の硬い皮の部分は、ピーラーなどで剥いておきます。

2. ラップに包んで、冷凍用の保存袋に入れる
4本ほどまとめてラップで包み、冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫へ。これで約3週間の保存が可能になります。



【アスパラガスの保存方法3】茹でてから冷凍保存


1. よく洗って、根元を切る
根元の皮が硬い部分はピーラーなどで剥いておきましょう。また、アスパラガスの硬い部分は、アスパラガスをしならせてぽきんと折れるところが目安となります。覚えておくと便利ですよ。

2. フライパンや鍋でお湯を沸騰させ、アスパラガスを1本のまま茹でる
茹でる際には、途中で切ったりせずに1本そのままが理想。大きめのフライパンにそのまま入れれば、

3. 粗熱がとれたら、冷凍用の保存袋に入れる
3~4本程度まとめてラップに包み、重ならないように冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫に入れましょう。この状態で1カ月ほどの保存が可能になります。



【アスパラガスの保存方法4】電子レンジで加熱後に冷凍保存


茹でることで、アスパラガスに含まれる水溶性の栄養素が損なわれるのを防ぎたい! という方には、電子レンジでの加熱がオススメです。

1. アスパラガスの根元を切って、硬い部分の皮を剥く
2. 耐熱容器に並べてラップをかける
3. 電子レンジで加熱(500w 2分ほど)
4. 粗熱がとれたら、水気をふき取って保存容器にいれて冷凍庫に入れる

■解凍方法


凍ったまま、好みの長さにカットして加熱調理をしてください。アスパラガスを凍らせると、解凍する際に水分が多く出てしまいます。

調理の際に、水分を飛ばすために生のものより長めに過熱をすることでおいしくいただけます。アスパラの太さや本数で加熱時間は変化します。竹串がすっと刺さるのを目安に、調理してください。

実はいろいろある! アスパラガスの種類


グリーンアスパラガス
「アスパラガス」といったら、やはりグリーンのものを連想する方が多いのではないでしょうか? 発芽したあとに日光をたっぷりと浴びさせて自然に育てたものが「グリーンアスパラ」となります。緑黄色野菜の一種で、健康維持に効果が見込めるビタミンAや食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれています。全国各地で栽培されていますが、生産量トップは北海道です。

ホワイトアスパラガス
「ホワイトアスパラガス」は、遮光シートや土盛りなどで光を遮り、葉緑素を作らずにセずに育てる「軟白(なんぱく)栽培」でつくられたものです。グリーンアスパラガスに比べてやや太く、皮が硬いのが特徴となります。また、グリーンアスパラガスに比べてビタミン類の含有量は少なく、免疫力アップに効果があるサポニンの含有量が多い傾向があることがわかってきています。

ミニアスパラガス
「ミニアスパラガス」は、グリーンアスパラガスが大きく育たないうちに早採りしたもので、長さは10cm程度、直径も細めです。グリーンアスパラガスよりも柔らかく、皮をむくなどの下処理もいらないので調理に手間がかからないのがポイント。産地としては、タイやフィリピンなどが主流ですが、日本でも九州などの暖かい地域で生産されています。

パープルアスパラガス
表面がキレイな紫色の「パープルアスパラガス」は、収穫のタイミングを逃すとグリーンになってしまうため、栽培が難しい品種といわれています。グリーンアスパラガスよりも甘みが強く、少し柔らかいのが特徴です。色味もきれいなので、料理を華やかに仕上げたいときにもピッタリですよ。


まとめ:栄養たっぷりな春の味覚アスパラガス! 早めにいただくのがオススメ


疲労回復や美容効果など、さまざまな栄養を持つ「アスパラガス」。茹でていただくのはもちろん、炒め物や揚げ物など多彩な調理法で楽しめる万能食材です。

お手ごろな価格で売られているからと、ついつい多く買ってしまうかもしれませんが、おいしいアスパラガスは鮮度が命! 正しく保存して、なるべく早めにいただいてください。

ご紹介してきた通り冷凍保存も可能ですが、アスパラガス特有の食感は損なわれてしまいます。なるべく冷蔵保存ができる期間に食べきりましょう。


■参考
アスパラガスの保存方法 | 素材の基本 | とっておきレシピ | キユーピー
https://www.kewpie.co.jp/recipes/knowledge/article/3/page03/
アスパラガスの選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」 | クラシル
https://www.kurashiru.com/articles/b958ce1a-031b-4e97-9f7a-c0508e6ef373#43417
アスパラの栄養は色に出る!?種類や名前の由来などまとめて紹介|カゴメ株式会社
https://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/202206/12361/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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