「さつまいも」のベストな保存方法 これからが旬の栄養たっぷり秋の味覚!

秋の味覚といえば、やっぱり「さつまいも」! 焼き&蒸かしてホクホクした甘いさつまいもは、食事はもちろんデザートにも使われていてさまざまな味わい方が楽しめます。日本各地でいろいろな品種が生産されており、食べ比べをするのも醍醐味の一つですよね。

どうせならたっぷり食べたい! と箱で買ったことがある方も多いでしょう。しかし、食べきれずいつの間にか化石のような状態に……なんてことも。

おいしいさつまいもを最後の1本までおいしくいただくために知っておきたい、正しい保存方法を紹介します!



さつまいもの基本の選び方


近年、続々とさまざまな品種が登場している「さつまいも」。その名のとおり、400年ほど前に琉球(現在の沖縄)から薩摩地方(現在の九州・鹿児島)へと伝わり、食料として全国に広まりました。主にアジア・オセアニア地域で食されており、日本と同様に焼いたり蒸かしたりするだけでなく、葉や茎などを食べる習慣もあります。日本では特に、主食というよりもおやつやおかずとして、甘みの強い品種が親しまれています。

収穫シーズンは9~11月頃となりますが、旬のシーズンは2カ月後の11~1月です。野菜は収穫したてが一番おいしいと言われていますが、さつまいもは2カ月ほど貯蔵して水分を飛ばしてからが、おいしさの本番となります。甘みが増して、よりおいしさがアップしますよ。

それではスーパーや直売所などで、おいしい「さつまいも」を見極めるためのポイントを見ていきましょう。

まず、チェックしたいのは「皮の色」。鮮やかさが均一で、ツヤがあるものを選びましょう。さらに傷や斑点などがないものがよりおいしいさつまいもとなります。また、見た目がふっくらとしているのもおいしさの証。品種によって太さはさまざまですが、なるべく大きなものを選ぶとよいでしょう。

糖度が高いさつまいもは切り口から蜜が染み出てきます。切り口に黒い蜜の跡があるものは、甘いさつまいもの可能性が高いです。反対にヒゲが固かったり、表皮の一部が黒く変色したりしているものは、古いものかもしれません。苦味があるかもしれないので、避けたほうがよいでしょう。


秋の味覚が楽しめる食材「さつまいも」には、美容や健康に役立つ栄養がたっぷり! 便秘予防に効果がある「食物繊維」は、腸内環境を整えてくれる水溶性食物繊維と、水分を吸い込んでお通じを促す効果を持つ不溶性食物繊維の2種が含まれています。便秘の改善は美肌効果が期待できます。

さらに、コラーゲンの生成に必要な栄養素である「ビタミンC」が、なんとリンゴの約5倍含まれています。シミや炎症の対策に効果が期待できるので、美容に力を入れたいという方にはぴったりですよね。ほかにも成長に欠かせない「カルシウム」や、むくみの改善に有効な「カリウム」、疲労回復や健康の維持に効果があるとされる「ビタミンB群」など、さまざまな栄養素がたっぷり含まれています。

さつまいもの皮には目の機能改善が期待できる「アントシアニン」や、糖尿病や脂肪肝の予防に摂取したい「クロロゲン酸」が。さつまいもの全ての栄養を無駄にしないためにも、皮ごといただくのがオススメです。


さつまいもの保存方法と保存期間


常温保存でも長持ちするというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、買ってきたときのままの状態での保存は、芽が育ってしまう可能性も……。かといって、低温と乾燥に弱いので、冷蔵庫での保存には向いていません。さつまいもの適切な保存方法を紹介します。

【さつまいもの保存方法 1】 常温保存


1. 1本ずつキッチンペーパーや新聞紙でくるむ

2. まとめてポリ袋に入れる

3. 常温で保存する
保存期間の目安は2週間ほど。空気に触れると腐りやすくなってしまうので、1本に対して2枚の新聞紙を使用して、厳重に保存するのがオススメです。


【さつまいもの保存方法 2】 カットして冷凍保存


1. さつまいもを洗い、水気をふき取る

2. いちょう切りや輪切りなど、調理がしやすくなるようにカットする
いちょう切りにしたものは、さつまいもごはんやみそ汁に。輪切りにしたものは煮物や衣をつけて天ぷらに。プラス1品を作りたいときに便利ですので、作りやすいメニューを踏まえてカットするのがオススメです。

3. 少量をラップに包んで、冷凍用の保存袋に入れる
こちらの保存方法での目安は約1カ月。使う際は、加熱をするようにしてください。



さつまいもの種類


シルクスイートや紅あずまなど、さまざまな品種がある「さつまいも」ですが、現在栽培されているものだけでも、なんと40~60ほどの品種があるのだとか。品種によって、味や舌触りはさまざま。自分好みの品種を見つけて、味わっていきたいですよね。

■ホクホク系


●紅あずま
日本で最も王道な品種である「紅あずま」。主に茨城県や千葉県など、東日本で生産されています。日本人に一番馴染みがある紅あずまは、焼き芋や天ぷら、煮物や炒めものなど、幅広い料理にマッチします。


■ねっとり系


●紅はるか
2007年に品種登録された比較的新しい品種で、ねっとりとした舌触りと甘みで定番&人気の品種の一つです。クセのない味が特徴で、スイーツにも使いやすい品種となっています。

●シルクスイート
収穫してすぐはホクホクとした食感ですが、貯蔵することでねっとりとした味わいに。絹のようななめらかな舌触りがおいしく、焼き芋にぴったりの品種です。


■果肉に色がついているもの




●安納芋(あんのういも)
戦後にインドネシアから持ち込まれたさつまいもを改良して生まれた「安納芋」。正式な品種名は「安納紅(あんのうべに)」といいます。クリーミーな食感と、コクのある甘みはまさに病みつきのおいしさ。ねっとり系のさつまいもでも、人気の品種の一つです。


秋に食べたい「さつまいも」! 正しい保存方法で秋の味覚を楽しみつくそう


料理やスイーツ、ちょっとしたおやつなど、幅広く楽しみ方がある「さつまいも」。蒸かしても、煮ても、焼いてもおいしい万能な秋の食材の一つです。

長期保存がきく食材ではありますが、正しい環境でなければ風味が落ちてしまうこともあります。常温で保存できる食材は、特に保存環境が大切! 一度処理をしたから問題ないだろうと目を離さずに、こまめに状態をチェックして、おいしくいただけるタイミングを逃さないようにしてくださいね。


参考・参照元
[さつまいも保存]6カ月もたせる方法!加熱後に冷凍するコツも|カゴメ株式会社
https://www.kagome.co.jp/vegeday/store/202208/12436/
【さつまいもの保存】カットして生のまま冷凍が正解!使い勝手抜群です | ほほえみごはん-冷凍で食を豊かに-|ニチレイフーズ
https://www.nichireifoods.co.jp/media/10350/
さつまいもの基本情報 | 素材の基本 | とっておきレシピ | キユーピー
https://www.kewpie.co.jp/recipes/knowledge/article/29/
さつまいもの種類と特徴を徹底比較!甘い人気品種から珍しい色のレア品種まで | ふるなび公式ブログ ふるさと納税DISCOVERY
https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202106-sweetpotato/
サツマイモ(甘藷)のタイプ別37品種一覧:旬の野菜百科
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/satumaimo-varie.htm
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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