「ディスカバー農山漁村の宝」の優良事例に、農産物栽培で復興支援に取り組む「幸 満つる郷」が選出

宮城県東松島市野蒜地区で農産物栽培を通じた復興支援と地方創生、障害者・シニア雇用を行う『幸 満つる郷(さちみつるさと) KDDIエボルバ野蒜』の取り組みが、2019年度ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の優良事例に選出された。

前列左から、アンバサダー鈴木至氏、東北農政局長 川合靖洋氏、幸満つる郷所長 稲葉浩、東北農政局次長 小林博行氏2019年12月12日に開催された選定証の授与式

幸 満つる郷(さちみつるさと)とは

幸 満つる郷(さちみつるさと)は、株式会社KDDIエボルバが、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県見東松島市野蒜地区の復興を目的に開設した農産物の栽培拠点である。

2018年11月には、東松島市が掲げる「SDGs未来都市計画」の推進による地域活性化を目的とした協定を締結し、現在もIOTやICT等の通信技術を活用した農産物の実証栽培などを行っている。
また、2019年6月にスタートした「AI潅水施肥システム ゼロアグリ」の実証実験は、同年11月に開催された「第17回 MCPC award 2019」のモバイルビジネス賞にも選出されている。

ディスカバー農山漁村(むら)の宝


ディスカバー農山漁村(むら)の宝は、農山漁村の有するポテンシャルを生かし、地域の活性化や所得向上に取り組んでいる優良事例を選出し、全国に発信するプログラムだ。強い農林水産業、美しく活力のある農山漁村の実現を目的に以下3つの基準で選出している。

  1. 美しく伝統ある農山漁村の次世代への継承
  2. 幅広い分野・地域との連携による農林水産業や農山漁村の再生
  3. 国内外の新たな需要に即した農林水産業の実現に取り組む優良事例

今回選出された、幸 満つる郷の取り組みは、全国931件の応募のうち東北農政局管内100件の中から選出されたもの。

幸 満つる郷の『4つの想い』

選出された取り組みは、幸 満つる郷が標榜する「真のダイバーシティ、障害者が農産物栽培・販売のプロとして働くこと」テーマにした『4つの想い』が評価されたものだという。

 

幸 満つる郷が取り組む『4つの想い』


幸 満つる郷では、以下「4つの想い」を掲げている。

1. 地元の障害者・アクティブシニアを正社員雇用

障害者39名、アクティブシニア11名を社員として地元から雇用し、宮城県の障害者雇用アシスト事業、東松島市の地方創生に貢献。今後も事業所規模と雇用拡大を計画中。

2. 将来就業を目指す障害者の実習・体験学習活動
障害者福祉施設、介護施設、若者サポートセンター、支援高校、中学校(支援学級生徒)を対象とした体験学習を年間実施。(2019年度体験者100名以上)

3. 働きやすい職場環境づくり、働き方の工夫

4. 地域密着型の無農薬野菜作りを推進、地場産業商品のPR、コミュニティ活動

働き方や施設内の設備など『4つの想い』をカタチに


「4つの想い」は働き方や施設内の設備、活動にも反映しているそう。

①全面をバリアフリーした施設内の研修室と大きな休憩室。障害者職業生活相談員資格者、食品衛生管理者、防災士等を配置。


➁5人1ユニット制による働き方を実践。食品製造に関する各種機材を導入し社員の特性に合わせた環境も整備。


IoT・AIを活用したスマート農業を導入。効率化を図り社員の健康や安全管理環境を整え意欲の向上に。


④消費者視点での野菜作り。


⑤東北や東京での試食販売会を開催。自治体や企業主催のイベントへの出店も。


⑥農業・収穫体験を継続的に開催。意見交換会や小学生の自由研究勉強会など、障害者雇用や農業に関するコミュニティ活動を実施。



幸 満つる郷では、今後も東松島市や農業関係者との連携を深め、農産物栽培や加工品製造、スマート農業の実践など「4つの想い」カタチにした施設運営を継続していく方針だ。

幸 満つる郷 KDDIエボルバ野蒜
https://www.evolva-nobiru-pr.com/
ディスカバー農山漁村(むら)の宝
https://www.discovermuranotakara.com/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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