完全自家消費型ソーラーシェアリングを目指す「営農型太陽光発電設備事業」が誕生

クリーンエネルギー発電所や太陽光付規格住宅を展開する株式会社フィットと、農業生産事業を行う株式会社トペコおばらは、完全自家消費型のソーラーシェアリングを目指した「営農型太陽光発電設備事業」を受注した。

今回の受注は、環境省が行う「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)の採択によるもので、両社では「今後の太陽光発電ビジネスにおける新たな取り組み」として位置付けている。


営農型太陽光発電設備とは、支柱を立てた農地の上部空間で発電を行う太陽光発電設備を指す。

国内の多くのソーラーシェアリングでは、固定価格買取制度を利用した電力会社への売電が行われているが、両社が進めるソーラーシェアリングは発電した電力の全量を隣地の農地で使用できるのが特徴だという。

事業では、水耕栽培ハウスに隣接する麦畑に営農型太陽光発電設備を設置し、発電した電力の全量を水耕栽培に利用。フィットが行った試算によれば、年間の電力購入量のおよそ25%が削減でき、CO2排出も年間で約60t削減できるという。

広島県「再生可能エネルギーシェアリングモデルシステム構築事業」の一環へ


今回の事業は、トペコおばらが申請した再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業の採択によるもので、広島県安芸高田市甲田町で実施される再生可能エネルギーシェアリングモデルシステム構築事業として事業費用の2分の1が助成される。

フィット、トペコおばらの両社は「農業と太陽光発電の両立を目指し、今後はコスト削減や環境経営など農家への提案を行っていくほか、固定価格買取制度に頼らない新たな太陽光発電の活用を提案していきたい」考えを示している。


株式会社フィット
https://www.fit-group.jp/
株式会社トペコおばら
https://www.topeco-obara.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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