キユーピー、卵殻と卵殻膜の活用で「第7回食品産業もったいない大賞」農林水産省食料産業局長賞を受賞

キユーピー株式会社とキユーピータマゴ株式会社は、長年取り組んでいる「卵殻と卵殻膜の有効活用」により、第7回食品産業もったいない大賞の農林水産省食料産業局長賞を受賞した。

受賞テーマは「未利用資源としての卵殻および卵殻膜の価値探求と食と健康への貢献」。

2月6日に行われた表彰式の様子。キユーピータマゴ株式会社代表取締役社長 齋藤謙吾氏が受賞(左)

食品産業もったいない大賞は、省エネルギーやCO2削減、廃棄物の削減や再生利用など、食品産業の持続可能な発展に顕著な実績を挙げている企業や団体、個人を表彰する公益財団法人食品等流通合理化促進機構主催のコンテストだ。

卵殻と卵殻膜を農業や社会貢献に再利用


キユーピーグループでは、日本の生産量の約10%を占める年間約25万トンの卵を使用しており、発生する卵殻は年間で約2.8万トンに達する。同社では環境保護の観点から、1956年より卵殻を肥料として再利用してきたという。

東京農業大学応用生物科学部と行った共同研究では、天候不順による水稲への影響低減や米の品位向上が確認されている。

水田に卵殻を施肥する様子(埼玉県の協力農家)

ベトナムのハノイ国立栄養研究所との共同研究では、卵殻カルシウムがヒトの骨量を増加させることを確認。子どもの体格向上や高齢者の骨粗しょう症への課題解決にも取り組んでおり、肌のハリの素となるⅢ型コラーゲンを増やす働きがあるという卵殻膜は化粧品原料としても活用されている。

ベトナムで行われた講演風景(カルシウム強化食品)

キユーピーグループは、社会に対するグループの貢献価値を定量的に測る指標として「資源の有効活用と持続可能な調達」を掲げている。今回の受賞を契機とし、今後もさまざまな資源循環活動で社会的な課題解決に取り組んでいく考えを示している。


キユーピー株式会社
https://www.kewpie.com/
キユーピータマゴ株式会社
https://www.kewpie-egg.co.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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