食べチョク、新型コロナ禍の農家応援プログラムを改定 送料無料を延長し生産者の出品条件も拡大

オンラインマルシェ「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンは、新型コロナウィルスによる影響を受け、3月2日(月)より実施してきた「#コロナでお困りの生産者さん」の応援プログラムの送料負担の延長と一部変更を決定した。

また、5月1日(金)より生産者の掲載基準を変更し、従来の基準では「食べチョク」に出品できなかった生産者にも対象を拡大する。

さらに、新型コロナウイルスへの実施中の取り組みを全てまとめた特設ページ「食べて応援プロジェクト #コロナでお困りの生産者さん」も公開。生産者、飲食店・シェフ、企業・法人への応援内容を紹介している。




「#コロナでお困りの生産者さんの応援プログラム」送料負担を延長

食べチョクでは、飲食店やホテルからの仕入れ減やイベント中止に伴い販路がなくなった生産者と、外出自粛により自炊が増えた消費者のために、3月2日(月)より送料500円を負担する応援プログラムを実施してきた。その内容を一部変更し、5月1日(金)12:00以降、送料を300円負担として、商品の発送完了メールにて200円分クーポンを発行。実質500円の送料負担は継続となる。

新型コロナウイルスの影響で販路に困っている生産者が現在も多数いること、在宅時間の増加や自粛要請に伴い、オンラインでの食材を購入するニーズが高まっていることから、延長を決定したという。

■実施期間
2020年5月1日(金)12:00~2020年5月31日(日)
※上記期間中に注文を完了した商品が対象。
※変更の可能性あり。

利用方法
購入画面に進むと自動で300円の送料負担が自動反映される。商品の発送完了メールに200円分クーポンを送付。
※購入後のクーポン適応は原則不可。
※クーポンは毎注文ごとに1度限り利用可能。


生産者の掲載基準の変更に伴う、出品可能な生産者の拡大について

また、これまで「食べチョク」に出品できる農作物は「農薬・化学肥料の使用量が、基準の50%を下回る」ことを基準としてきたが、5月1日(金)より掲載基準を変更する。

新型コロナウイルスの影響に伴い、第一次産業は大きな打撃を受ける中で、生産者からの「食べチョク」への新規問い合わせ数が3月から4月にかけて約4倍になったという。その中には、品質の高い商品を生産されている一方で基準を満たしていなかった生産者も。そういった販路を失い困っている生産者に対して、従来の基準では掲載を断らなければならないことが増えてきた。

そこで、「食べチョク」が目指す「こだわりが正当に評価される世界」を実現するために、出品基準を見直し、より多くの生産者さんをサポートしていく。

「食べチョク」として大切にしている3つの約束は以下の通り。
  1. 生産者へ正当な利益を還元します:一次生産者に正当な利益が還元される状態を担保します。中間業者による不当な搾取、不当な圧力は許容しません。
  2. こだわりを持った生産者が評価される場所にします:掲載基準やルールを設けることでこだわりがある商品のみを集め、不当な安売りや値引き合戦が起きない状態を保ちます。
  3. 生産者が責任を持って販売をします:生産者自身が販売者としての責任をもち、お客様からの声を真摯に受け止めます。生産者と消費者が信頼関係を築いていける場所にします。

そして、変更後の農作物の基準は、
  1. 環境を過度に汚染しないように配慮して農業に取り組む生産者のみが登録できます。
  2. 農薬・化学肥料を使用している場合は、その使用量・使用回数・種類を事前に提示できる生産者のみが登録できます。
としている。


生産者数、登録ユーザー数、注文数ともに拡大

「食べチョク」は、新型コロナウイルスによる生産者への影響が発生してからの状況も公表した。

登録生産者数は、4月に1050軒を突破。3月1日から4月30日までの2カ月間で314軒の生産者が新規で登録したという。

注文の伸び率は、2月1カ月間の注文数と4月1カ月間の注文数を比較すると33.6倍にも拡大。

「食べチョク」の登録ユーザー数も、2月末時点と4月末で比較すると3.9倍になっているという。

実際に農家を支援した事例も紹介されている。

・雲丹(岩手県:ひろの屋)
納入先の営業自粛で出荷量が7割ほど落ち込んでいたが、食べチョクに出品して7日間で1014件の注文。
https://www.tabechoku.com/producers/20313




・新玉ねぎ(兵庫県:淡路島ほっこりファーム)
卸先のホテルの営業自粛により8割近く売上が落ち込んでいたが、1ヶ月間で3トンの玉ねぎを販売。
https://www.tabechoku.com/producers/20554




・文旦(愛媛県:吉本農園)
百貨店の休業に伴い売り先がなくなった文旦が1週間で1.3トン売れた。
https://www.tabechoku.com/producers/18



・米(石川県:おおた農場)
ホテルや飲食店からの注文が出荷量70%減り2トンの在庫を抱えていたが、1ヶ月半で2トン売り切れた。
https://www.tabechoku.com/producers/20761




本プロジェクトをまとめた特設ページを公開

さらに、これまでのすべての取り組み・反響・メディアへの掲載実績などの情報をまとめた特設ページ「食べて応援プロジェクト #コロナでお困りの生産者さん」を公開。

送料の一部を負担するプログラムをはじめ、一流シェフのレシピ付き食材の販売によるシェフへの売上貢献や、複数企業との連携なども実施している。


食べて応援プロジェクト #コロナでお困りの生産者さん 特設ページ
https://www.tabechoku.com/slp/corona_support05
食べチョク基準
https://www.tabechoku.com/tabechoku_standard

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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