グローバル電子の農業用センサー、米FarmXに採用

グローバル電子株式会社は、出資先である米国のスタートアップ企業FarmX, Inc.へ「点滴灌漑パイプ用水圧センサー」、「土壌水分センサー」、「圃場ワイヤレスセンサーネットワーク機器」の3機器の出荷を開始した。

今回の出荷は、グローバル電子の製造子会社のグローバルマイクロニクス株式会社の量産体制が整い開始されたもので、同社は「ユーザーに高い付加価値サービスを提供する電子機器総合企業として社会に貢献する」とコメントしている。

グローバル電子が出荷を開始した点滴灌漑パイプ用水圧センサー
グローバル電子グループは、海外製の電子部品やシステムの販売をコアビジネスに展開する企業だ。
アナログ応用製品やセンサー製品などの企画・開発・製造を行うほか、2005年からは医療機器の企画・開発・製造を手がける。

FarmX, Inc.は、作物管理・灌漑(かんがい)の自動化・収量管理サービス等を手がける米国のスタートアップ企業。カリフォルニア州を本拠に、2020年4月からは農機大手である株式会社クボタからの出資も受け入れている。

IoT機器の提供を通じ、精密農業の普及・収益化に貢献


出荷が開始された3機器は、グローバル電子が2017年より開始したFarmXへの出資を契機に開発された製品という。

点滴灌漑パイプ用水圧センサー


広大な農場に張り巡らされた灌漑用の水パイプの水圧を監視し、適切な灌漑が行われていることをモニターするセンサーだ。

点滴灌漑パイプ用水圧センサー

土壌水分センサー


灌水を過不足なく制御するためのセンサー。圃場の地中に垂直に埋設し4つの深さの土壌水分量を同時計測する。

土壌水分センサー

圃場ワイヤレスセンサーネットワーク機器


LTE基地局を経由してクラウドに伝える電池駆動型無線ユニット。複数のセンサーからのデータを低電力で収集/送信する。

圃場ワイヤレスセンサーネットワーク機器

グローバル電子では、FarmXへの出資およびIoT機器の提供を通じて、米国等における精密農業の普及・収益化に貢献したい考えで、2020年7月には今後の需要増に対応するため、さらなる増産体制を整えるそうだ。

同社は、「2023年までにはFarmX社向け製品でおよそ8億円の売上を達成したい」とコメントしている。


グローバル電子株式会社
https://www.gec-tokyo.co.jp/
FarmX, Inc.
https://www.farmx.co/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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