代行販売も請け負うCSA型フルーツ予約販売サイト、クラウドファンディング開始

長野県でりんご直売農園を営む株式会社フルプロは、「日本の農業を通年で稼げる仕事にして、これまで農業に携わってこなかった人が新規参入しやすい産業にしたい」「カンタンに予約注文でき、農家から収穫したばかりのフルーツが届く」の両方を可能にする予約販売サイトの立ち上げに向けて、クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」でプロジェクトをスタートした。返礼品は『旬』の採れたてフルーツや農業体験など。


フルプロは2年前に農業法人を設立し、「地域の耕作放棄地をゼロに!」をモットーに、耕作放棄地を生産性が高く初心者でも栽培しやすい畑に改植し、農業経験のない若者や女性、定年後の方などに新規就農の機会を開くプロジェクトを行ってきた。過去にもクラウドファンディングにて、長野県のりんご植樹のプロジェクトを成功させている。

参考「長野市の耕作放棄地にりんごを植樹しよう~女性も、若者も、高齢者も!みんなが活躍する未来ある畑へ~」のクラウドファンディングページ

今回のプロジェクトは、日本の農業を強くて稼げる仕事にしたい! という想いから、収入のある収穫期と収入の入らない農閑期などがある農業の季節性を緩やかにし、農業を通年で稼げる仕事にできないだろうか? というもの。

新たに農業を仕事にしたいと希望する人が少ない背景には、「農業では十分な収入を得られないのではないか」、「体力的に辛そう」といったイメージだけでなく、通年で月給や年収を保証してくれる会社、そのような求人募集が非常に少ないという社会・産業構造的な側面がある。

その理由として、農業には季節性があり、芽吹きの季節から収穫までの"作業はあるが収入はまだ入ってこない時期"、そして"完全に仕事がない"農閑期があることが大きな要因だという。雪深い地域になると農閑期は5~6か月にも及びます。それでは、いくら農業法人を設立したとしても、従業員を通年で雇い入れる事が困難になってしまうためだ。

そこで、季節による収入の波を少しでも小さくできないか? と考えた結果、通年で収穫物の予約を受付け、旬の時期に採れたものを優先的に販売できるサイトを作ろうというアイデアに行き着いた。

フルプロが立ち上げる予約販売サイトでは、地域の農家の農産物の代行販売も手がける予定。それにより、生産に磨きをかけてきたものの独自の販路を持たなかった農家にもこのサイトを利用してもらうことを考えているという。


"収穫前に予約注文をする"という発想は、一部の欧米などでは、農家と消費者が互いに理解し合い、協力し合う関係によって成り立つ、生産から消費までのシステム「CSA(地域支援型農業)」の一環としてすでに広がりを見せている。

このシステムは、生産者だけではなく消費者にとってもメリットが大きい。

現代の消費者にとって最も一般的となっている、スーパーに並んでいる野菜や果物は、農家で収穫されたあと卸し業者へ、そして小売業者へと流通しており、収穫してから少なからず日数が経って消費者の元へ届く。そのため、流通するあいだに傷んでしまわないよう、まだ成熟していない青い実の時に収穫してしまうものも多く含まれている。完熟してしまうと日持ちがしなくなり、消費者の手に届く頃には腐敗してしまう恐れがあるためだ。

熟す前に収穫したものは、成熟まで樹から養分をたくわえて成熟した実と比べ、甘みや養分・水分量などは比べ物にならないほど差があるが、多くの消費者はどれがそうなのかわからず、どれくらい違うのかも知らないのが現状だ。その結果、産地の人にとっては“あたりまえ”の、味や果汁がギュッと詰まった“本当の”味を、産地以外の消費者は食べたことがない、知らない、という状態になっている。

新しい予約販売サイトでは、旬の時期に完熟したフルーツを採れたその日、または1~2日以内に農家から発送し、これまでは産地でしか出会えなかった"本物の"味を自宅にいながら味わうことができるという。農家がずっと心の奥で密かに願っていた想い、「採れたての味、びっくりするほど美味しいんだぞ」、「できればこの“本物の”味を、産地以外の人にも食べてもらえたらなぁ」という想いを叶えることにもなる。



その他の特徴として、この予約販売サイトは、運営主体であるフルプロが農家・農業法人であることが挙げられる。

これからの農業は生産するだけでなく、自ら商品をブランディングし、販路を開拓していくという流れがますます大きくなっていく。消費者が直接農家とつながれるため、一番よい保存方法は? 美味しい食べ方は? 農薬の使用量はどのくらい? といった、スーパーでは聞けなかった疑問に農家に直接答えてもらうこともできる。また、地域の果物が多種類そろっているなかから好きなものが選べる頒布会形式になっている。


クラウドファンディングの募集は、6月29日までとなっている。

<参考URL>
株式会社フルプロ
農業を通年で安定して稼げる仕事に!〜採れたてフルーツの予約販売サイトを作りたい〜(CAMPFIRE)


SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
  2. 大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  3. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 田中克樹
    たなかかつき。32年間の農業出版社勤務を経て、2020年末、故郷の八ヶ岳南麓に帰郷。仲間と共に農業・福祉系NPOを立ち上げ、遊休農地・耕作放棄地を再生し、心身の癒しや健康づくりにつながる有機無農薬の体験型農園づくりに取り組む。NPOでは田んぼ除草にホバークラフトを活用したスマート技術を開発中。農と風土(フード)を愛する人たち向けのブックカフェ・居酒屋を開くのが夢。
  5. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
AI・IOTでDXを推進する企画・セールス・エンジニア大募集